「謎を解く」快感が、O2Oを成功に導く理由。

リピーター獲得が強み「謎解き×プロモーション」

謎解きイベントの特徴として、リピーター数、リピーター率がともに非常に高く、上で紹介したようなプロモーションとの相性がとてもよいという点が挙げられます。

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東京・神保町の書泉グランデは品揃えに特徴がある書店として有名ですが、昨年謎解きイベントを開催したところ、その参加者の多くが初めて足を運び、ラインアップや特徴を周知でき、開催期間中はもちろん開催後も来店数も売上も伸びたようです。

 ※参考
 神保町の書店でリアル脱出ゲーム、1万2000人が「謎解き」に参加

今年に入り、書泉では系列の別店舗で新たな謎解きイベントが開催されています。

回遊型の場合、一般客と空間を共有するため、一般客を引き込む効果もあります。
妙な暗号が掲示されてあったり、その掲示の内容をメモしている参加者を見たり、隅のほうでバインダーを手に頭を抱えている光景を目の当たりにしたりと、興味を惹くことは必然です。

109では、多くの通りがかりの若い女性が解いている姿を目にしました。
無事にクリアした彼女たちはとても晴れやかで楽しそうにしていたのが印象的でした。
東急ハンズでもファミリーが楽しそうに店内を巡っていいる光景が見られました。

スタンプラリーと違い、ゴールするためには決して易しくはないいくつもの謎を解かなくてはなりません。
そのハードルを超える経験は、とても強い印象を残します。
失敗すれば悔しさが、成功すれば嬉しさが残り、いずれの場合でも次回参加へのモチベーションとなります。

もちろん、謎の内容や運営などのコンテンツが悪かった場合は逆効果になってしまいます。
興味がない人にとっては、妙な看板や通路を塞いだり座り込んだりする人は単に邪魔なだけです。

謎の内容/構成や運営方法については細心の注意が必要です。
このあたりはノウハウの塊です。
過去、失敗したと思われるイベントもあり、参加していてとても残念でもったいない思いをしたものです。

次ページ 「パルコに見る「O2O 施策」としての謎解きイベント」に続く

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南 晃(謎作家)
南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

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