「謎を解く」快感が、O2Oを成功に導く理由。

パルコに見る「O2O 施策」としての謎解きイベント

筆者が制作に関わった回遊型のイベントに、昨年末から今年年初にかけて全国のパルコで開催された、「探偵パルコアラ×謎解きゲーム」があります。

田中宏明氏(YTE)、牧博樹氏の三人でチームを作り制作したのですが、O2Oを重視した謎解きイベントとして、その内容を解説します。

O2OとはWEBやSNSなどのオンラインから、実店舗(オフライン)へ誘導することを意味します。そのための手法として謎解きを活用することになりました。

ストーリーとして、マスコットキャラクターがなくなったアイテムを探しだす、というものを設定し、16問と多めの謎を用意しました。

ごく簡単な謎から、発想力や語彙力を問われる謎まで、さまざまな種類の謎を用意し、
解いていて飽きないような工夫が施してあります。

謎というものは、一度目にして考えてしまうと、解けるまで悔しく不快な状態が続き、
解けるとそれまでの不快に倍する快感を得られます。

これは、一問解けると、次の問題、さらに次の問題と、連鎖していくことを意味します。
WEB上での謎をどんどん解かせていき、次の問題は実店舗で解けるよ、と提示することで、オフラインへ誘導する効果が生まれます。

さらに、TwitterやFacebookなどのSNSで知人や見知らぬ人が解けたことを知ると、
解けない悔しさが倍増し、必死に考えるループに入ります。

交通広告やメルマガ、LINE公式アカウントなどを使ってターゲット層にアプローチし、WEBサイトへ誘導します。

その交通広告やLINEにも謎を仕掛け、広告効果を高めました。
LINEに仕掛けた謎は、アドタイ用にアレンジしたものを最後に掲載しておきます。

 ※参考
 「探偵パルコアラ×謎解きゲーム」謎の一覧と答え合わせ(スマホ・PCアクセス可)

年初に行われるセールのプロモーションでしたので、年末にWEB謎を開始し、年始へとつなげます。

16問のうち半数以上の謎を解くと新たなストーリーと謎が提示され、実店舗にいくと謎が解けることを告知します。16問の中にはかなり難易度が高い謎も含まれており、微妙なストレスを与えつつ、実店舗へつなげる戦略です。

特に問8、問13、問16は難問でした。

年末年始で時間に余裕がある人が多いため、難しい問題を家族や知人と一緒に解いてもらう効果も期待しました。

次ページ 「謎解きイベントがオフラインへの誘導効果を増強」に続く

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南 晃(謎作家)
南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

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