団体ツアーVS個人旅行、これからのインバウンドで伸びるのは、どっち?ーーインバウンド販促の“秘伝”④ 前編

【前回の記事「あなたの会社に、本当に「マーケティング」はありますか?」はこちら】

今回も皆さんにいきなり、質問します。

(1)あなたは、海外旅行する際、たいてい旅行会社の団体ツアーへの参加を申し込みますか?

(2)それとも、自分であれこれプランを考える個人旅行にしますか?

おそらく、今やほとんどの方が、海外に行くのにも、国内旅行同様、(2)の個人旅行に決まってるでしょ、と答えると思います。

しかし大昔、すなわちJALパックが1965年に誕生したころ(日本人の海外渡航制限が解除されたばかりのころ)は、海外旅行といえば、絶対的に、(1)の団体ツアーばかりでした。添乗員さんが乗り込み、みんながおのぼりさんのように、ガイドさんの旗の後にくっついて、海外旅行に出かけたものでした。

今の若い人は知らないかもしれませんが、昔はそのJALパックのロゴの入ったカバンを提げて国際空港を闊歩している人がとても羨ましかった時代があったのです。そして、そういう時代が随分長く続きました。それでも、その頃から数えて早50年。今や、「毎回海外旅行に行く際は、団体ツアーばかり」、という人はかなりの少数派となってしまいました。

なぜこうした変化が起きたのか。一つには、以前は超高額だった海外航空券の料金があります。高嶺の花で、庶民は手が出せませんでした(30年前、実際私が学生時代、バイトで貯めた資金の大部分がヨーロッパ行きの航空券代に消えていき、その結果現地での旅行費用は相当切り詰めざるを得なかった思い出があります!)。

当然、昔の庶民は割安の団体座席に甘んじるしかなかったわけです。それが、今や格安航空(LCC)の便が各地にじゃんじゃん飛んでいます。お近くの台湾や韓国や香港やアセアンぐらいまで、場合によれば数千円、高くてもほんの数万円で行き来できてしまいます。

次ページ 「 スマホやタブレットの時代の観光客の実際は?」に続く

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中村 好明(ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長)
中村 好明(ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長)

1963年生まれ。2000年、ドン・キホーテ入社。

広報、IR、マーケティング、CRM、新規事業担当を経て、2008年、社長室ゼネラルマネージャーとなり、訪日客誘致の責任者を兼ねる。

2013年7月、社内の訪日観光戦略部門をスピンアウトさせて、ジャパン インバウンド ソリューションズ(JIS)を設立し、その代表取締役社長に就任。あわせて、ドン・キホーテグループ全社の訪日客誘致プロジェクト責任者を務める。松蔭大学 観光メディア文化学部 客員教授。

中村 好明(ジャパン インバウンド ソリューションズ 代表取締役社長)

1963年生まれ。2000年、ドン・キホーテ入社。

広報、IR、マーケティング、CRM、新規事業担当を経て、2008年、社長室ゼネラルマネージャーとなり、訪日客誘致の責任者を兼ねる。

2013年7月、社内の訪日観光戦略部門をスピンアウトさせて、ジャパン インバウンド ソリューションズ(JIS)を設立し、その代表取締役社長に就任。あわせて、ドン・キホーテグループ全社の訪日客誘致プロジェクト責任者を務める。松蔭大学 観光メディア文化学部 客員教授。

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