Branding とDemand Generation
その他、3日間のセッションを通じて、テーマになったことに、Demand Generation(需要喚起)とブランディングの投資配分をどう最適化させるか、という話題があった。
ここまで触れてきたような、パーソナライゼーションの実現をゴールとするデジタルマーケティング活動は、短期で売上につながる「Demand Generation(需要喚起)」を目的としたもの。一方で、それとは別機軸で長期的な視点でのブランディング活動も継続する必要がある。現時点ではブランドへの投資については、デジタルマーケティングと同様の効果の測定はできなくとも必要なことであるという認識は共通していたが、今後は両者を統合した活動が必要とされていた。
“自動化”はクリエイティブの終焉を意味しない
テクノロジーを使い、マーケティングの自動化が進んだらマーケターやエージェンシーのクリエイティブは不要になるのか?という議論も、様々なセッションで見受けられた。
しかしターゲットが細分化していけば誰に、何を、いつ、どんなふうに届けるか?というキャンペーンのシナリオは、これまで以上に多く必要になってくるのでクリエイティブがますます必要とされる。あるいはデータの取得に際しても、カスタマーにどのような体験をしてもらいたいか、そのシナリオに基づく、情報のスクリーニングが必要であり、どのようなデータを得るべきか、その判断にクリエイティビティが必要だといった意見が出ていた。これは前述のブランドへの投資とDemand Generationに関わる議論とも関係する話題だ。
「Marketing Reinvention」。マーケターやクリエイターはテクノロジーを知り、デジタルマーケターはカスタマーの気持ちを知り、クリエイティブを理解する。両者が「Customer Focused」の姿勢を共有し、カスタマーを中心に据えることで互いに歩み寄って、個別最適の体制を変えていく。データがカスタマーの声・反応の集積と考えれば、データの共有が、両者の間の壁を壊して、融合させていくフックとなると言えそうだ。
「Adobe Digital Marketing Summit2014」レポート
・(前編)Data Democratizationがマーケティングを変える
・(後編)米国マーケターが目指す先は、パーソナライゼーションの実現