数字の苦手な僕がデータサイエンスに向き合う理由

【前回のコラム】「コンテンツマーケティングは自転車のように乗りこなそう!」はこちら

僕は数字が苦手です。
前職のM&Aアドバイザー時代に、かなり数的思考のトレーニングを受けましたが、それでも苦手は苦手。
数字がイヤで広告業界に身を転じたと言ってもいいくらいです。

しかし、この業界でもビッグデータとともに、ここまでデータサイエンスのアプローチが身近になってくると、さすがに逃げられなくなってきました。
これまで当たり前だった、勘と経験から仮説を立てるということ自体が乱暴だという認識になってきたのですから。

僕が社で所属しているマーケティング・デザイン・センターは、半年ほど前に新設された局です。
データサイエンスのアプローチからソリューションを売りにしていた部門と、従来型の広告にとらわれずビジネスデザイン全体を売りにしていた部門が合併してできました(もちろん僕は、ビジネスデザイン部門の出身)。
なので、近くにはデータサイエンティストという、ちまたでは「21世紀で最もセクシー」といわれる職を手に持つ人たちがいます。

ビッグデータからのデータ収集や解析など、僕からすれば気が遠くなりそうな作業は、是非とも彼らにお任せしたいと思っていますが、こちら側にそういったアナリティクスを現場で正しく機能させるためのスキルがないと作業の依頼もできません。

その基本的なスキルが、ビジネスの数的思考だと思います。
数的思考といっても小難しい数学を使うわけでなく、僕の場合、小中学生レベルの範囲に限られてしまうのですが。

例えば、バナーではよく使うABテストとか、平均値に惑わされずばらつき具合をつかむ標準偏差など、すごく基本的な考え方です。
ただどんな場面でも、そういった思考で向き合うことをクセにすることが大事なのだと思います。
ビッグデータが持つ可能性も、データサイエンティストの専門性も、それを生かして仕事を進めていくのは、これまで通り僕たちなのですから仕方ありませんよね。

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京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)
京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)

大手銀行でM&Aアドバイザーを経て、2001年電通入社。
主に、グローバルブランドやITサービス、スタートアップ企業を担当し、
ソーシャルメディア・デジタル領域を中心とするエンゲージメント・プランニングや、
データサイエンスに基づくグロースハックを手がける。
カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルに毎年参加している。
著書に『ロングエンゲージメント』(あさ出版)、『つなげる広告』(アスキー新書)など。
東京都市大学非常勤講師。

京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)

大手銀行でM&Aアドバイザーを経て、2001年電通入社。
主に、グローバルブランドやITサービス、スタートアップ企業を担当し、
ソーシャルメディア・デジタル領域を中心とするエンゲージメント・プランニングや、
データサイエンスに基づくグロースハックを手がける。
カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルに毎年参加している。
著書に『ロングエンゲージメント』(あさ出版)、『つなげる広告』(アスキー新書)など。
東京都市大学非常勤講師。

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