【前回のコラム】「「謎を解く」快感が、O2Oを成功に導く理由。」はこちら
<アドタイの謎3>
解けましたでしょうか。
一度ひらめいても、まだいくつも段階があるという構造の謎です。
いろいろな要素に注目しなくてはならず、解いていて次はこれ、今度はそれ、とふりまわされます。
そういうところも楽しめますね。
コラムの最後に、この謎の解答と、次の謎を掲載しておきます。
ストーリーへ没入できる「公演型」謎解きの魅力
さて、今回は、前回のコラムでご紹介した「謎解きイベント4パターン」のうち、「公演型」の謎解きイベントを、タイアップやプロモーションという視点で見つめてみましょう。
公演型は、ある限定された空間に参加者だけが閉じ込められ、そこから脱出したり、仕掛けられた爆弾を解除したり、悪い魔女のかけた呪いを打ち破ったり、暴走したコンピューターを止めたり、と、さまざまな目的を達成することをめざす形式です。
何人かでチームを組んだり、個々人で独立して動いたり、その場の全員で協力したりと、そのスタイルは様々ですが、共通して言えることがあります。
物語やシチュエーションへの圧倒的な没入感です。
外から鍵のかけられた部屋で、目の前にチクタクと時を刻む時限爆弾がある。
犯人からの犯行声明。
何をすべきか、これ以上ないというくらいわかりやすい状況ですね。
犯行声明には謎の暗号が書かれており、それを解けば爆弾の解除方法がわかるという寸法です。制限時間以内にすべての謎を解き明かし、生き残ることが目的となります。
参加者は夢中になって謎を解き、一歩一歩爆弾解除に近づいていきます。
小部屋に入るためにパスコードを入手し、新たなアイテムを手に入れます。
鍵のかかった小箱の番号を割り出し、さらなるカードを入手します。
爆弾解除まであともう少し。
最後の最後、カードに書かれた意味不明な言葉の真意を解き明かせばミッションクリアーのはず……。
けれどわからない。
どうすればいい? 何か見落としがあるのかも。もう一度最初から見直すべきか?
刻一刻と時間が過ぎ、残り数分。
メンバーのひとりが気がつきます。
そういえば犯行声明にこんな言葉があった。何か関係あるんじゃないのかな?
もうひとりがひらめきます。
あ! もしかして……!
公演型の謎解きイベントは、だいたいこのようにして進んでいきます。
チームの場合、メンバー同士の連携がとても重要です。
情報共有と役割分担、全体統括と、チームワークの良し悪しが、大きく成否に影響します。
難しい物だと、成功率が 5%を切ることもあり、一筋縄ではいきません。
終了後、協力して謎を解いたメンバー同士のつながりが深まることが多いのも特徴です。実際、参加者同士の横のつながりが多くできています。
また、公演型の特徴としてチームワークが重要であるということは、チームビルディングや就職活動のセミナーなどに活用できることも意味します。
これまで、多くの企業での活用事例があります。
あるIT系企業は、閉館中の博物館で謎解きの就職イベントを行いました。
また、人材情報会社による就活セミナーイベントとしても謎解き公演が開催されています。
派生して、婚活などのマッチングイベントにも活用されています。
次ページ 「物語性の強いコンテンツとの相性の良さ」に続く