「街歩き×謎解き」は相性抜群!地域活性化・観光PRに成功した事例まとめ

閑散期の冬の川越で「謎解きミステリー」体験

まずは観光を主目的としたものをご紹介します。

(1)小江戸川越 謎解きミステリー(埼玉県川越市)

昨年末から今年2月まで、川越市で開催された「小江戸川越 謎解きミステリー」。

観光協会の主催で冬季に開催され、豪雪に見舞われつつも 1000人以上の参加者を集めました。川越市街の観光名所のうち数カ所に情報を掲示しておき、それを組み合わせてストーリーを進めていく形式です。

途中、川越にまつわるもののイラストを描くミッションが発生したり、単に観光しただけでは行かないような穴場に行ったりと、さまざまな工夫が凝らしてあり、閑散期の誘客として成功した事例と言えます。

(2)蕨七不思議(埼玉県蕨市)

続いて昨年夏から秋にかけて開催された「蕨七不思議」。

第一部と第二部に時期を分け、第一部に参加しておくと第二部が有利になる、という構成でした。

それぞれでチェックポイントが異なり、蕨市の観光スポットを効果的に紹介し、なおかつリピーターの確保を狙っています。

(3)西小山商店街「西小山ミステリーツアー」(東京都品川区)

2009年から毎年開催されている「西小山ミステリーツアー」。

※参考記事
西小山商店街にぎわい再生プロジェクト研究会 川崎義雄

「まちとヒトのコミュニケーションの回路を開くミステリーツアー」(前編)

街歩き謎解きでは老舗で、今年で6回目になります。
地域ぐるみで開催しており、まるでお祭りのような雰囲気があり、祭りの一環かと勘違いしてしまいます。

むしろ、このイベント自体が西小山のお祭りと化しているとも思えるほどです。食堂や酒屋では、特別メニューまで用意され、ふるまい酒まで楽しめます。地域振興という点ではかなりの成功例だと思われます。

このほか、宮古島や、北海道・焼尻島など、離島をまるごと使ったイベントも開催されています。いずれも、参加者は土地柄や名物を知ることになり、地域への理解を深めます。
口コミでの知名度向上も期待でき、地域の実情にあった適切なコンテンツを制作することで、誘客や観光プロモーションに寄与することができます。

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南 晃(謎作家)
南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

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