「街歩き×謎解き」は相性抜群!地域活性化・観光PRに成功した事例まとめ

アニメ作品とのタイアップ「聖地」で謎解き

次に、タイアップの街歩きイベントを見てみましょう。

(4)鴨川絶対防衛ライン(千葉県鴨川市)

2012年10月から開催されていた「鴨川絶対防衛ライン」は、アニメ「輪廻のラグランジェ」とのタイアップ作品です。アニメの舞台、いわゆる「聖地」で開催され、アニメ作品に登場する市内各所をめぐる構成になっています。

難易度別に複数のコースが用意され、各コースとも街なかの店舗や聖地をめぐります。
全コースをクリアするのにはかなりの時間がかかり、何日にもわたってチャレンジできるようになっていました。
実際何度か足を運んだ参加者もいたようで、タイアップ+地域振興の好例です。

(5)秋葉原に隠れた宝を探せ!(東京・秋葉原)

次に、2013年夏に開催された、アニメ「げんしけん二代目」のプロモーションイベント「秋葉原に隠された宝を探せ!」。

これは筆者が制作に携わったイベントです。
行方不明になった登場人物のひとりを探す、というストーリーでした。
DVD/ブルーレイの発売プロモーションも兼ねており、作品自体の広告効果とともに、協力店舗での予約/売上も期待していました。
キャラクターの等身大POPを活用し、物語性を演出する仕組みです。

このように、タイアップの場合はその世界観や物語の要素を、いかに現実世界と融合させるかが重要です。この点がクリアできれば、作品や登場人物の印象が強く残り、大きなプロモーション効果が期待できます。

GPS機能を活用した謎解きも登場

このほか、携帯端末を活用した街歩きのイベントも開催されています。

(6)東京迷宮パズル(山手線エリア)

東京迷宮パズル」は、GPS 機能を活用したイベントです。山手線エリアという広域を、鉄道を乗り継いで移動しながら謎を解いていきます。
京都版も開催され、続編も制作中です。

携帯端末を使用することで、細かい誘導やヒント出しが可能となり、バーチャルとリアルを、謎を通してつないでいます。O2O施策にも活用できるポテンシャルがあります。

また、AR アプリや地図アプリのプロモーションにも適しています。
アプリの使用を必須とし、集客効果も見込めます。

変わったところでは、高速道路のサービスエリアを使用した謎解きイベントや、鉄道会社の特殊切符としての謎解きイベントも開催されています。

次ページ 「スタンプラリーの役割が謎解きに置き換わった」に続く

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南 晃(謎作家)
南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

南 晃(謎作家)

1972年鳥取県生まれ。2007年北陸先端科学技術大学院大学博士後期課程中退。
1996年からIT技術者として活動。2008年フリー。2011年から謎解きイベントの制作を開始。以後、多くの謎解きイベントの制作や謎の提供を行う。2014年IGDA日本SIG-ARG謎解き分科会長。

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