エピローグ

はじめてコピーを書いたと思った仕事

新卒からすぐコピーライターになれる訳もさらさらなく、
入社してからは先輩の下につけてもらったり、
文字校正をひたすら繰り返したりと、
コピーを考える機会はそうそうありませんでした。

でもやってきました。先輩たちが忙しすぎて、
いよいよ竹本に回してもいいんじゃない!?
っていう感じで初仕事がやってきたのです。

それはお弁当屋さんの仕事で、
お店に来てケータイを装置にかざすだけで
割引クーポンが発券されるよー!
ということを伝えるポスターでした。

会社に入って、はじめて書いた!と思ったコピー。

いろいろ書きました。無意味にダジャレを使ったり、
言葉をひねくり回したりして、全然ダメダメコピーばっかり。
担当のデザイナーさんも首を横に振るだけです。
ああ、ダメだ。やっぱり先輩のようにうまくいかないな。
落ち込みながらの、何度目かの出しのとき。
「これ、いいんじゃない?」とデザイナーさんが言ったのです。
指をさした先にあったコピーは、
【 お店にきたあなたは、すでにツイている。 】でした。

そのとき、コピーって素直に良いこと書いてあげるといいんだ!
と思いました。しかし、それは今でも大変難しいです。

次ページ 「個人的に賞をあげたい言葉」に続く

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