編集記事でも広告でも面白ければ、読者に届く
佐々木:僕は電通時代の20代の頃、5年間、雑誌局にいました。その時は、個人的に「POPEYE」「BRUTUS」も愛読していたし、マガジンハウスの出版物がやはりセンスがよくて、好きでしたね。街で言うと、表参道や青山や代官山のような、PCや携帯で言えば、AppleのMacや、iPhone「雑誌と組むなら、マガジンハウス!」といまだに、ファンですね(笑)。
戸髙:佐々木さんにお会いすると、いつもいろんなお題と言うかヒントをいただきますね。「Hanako FOR MEN」も、もともとは佐々木さんからヒントをいただいいたものですし。
佐々木:「MEN’S NON-NO」があるのに、なぜ?という話から。男が読んでも恥ずかしくない、ライフスタイル系雑誌があってもいいじゃないか?という話をしたんですよね。男向けのグルメ特集や街特集があってもいいんじゃないか、と。
戸髙:佐々木さんから話をいただいて、ひと晩考えたら「これはできる!」と思って、「Hanako FOR MEN」も実現しました。今回の企画も同様です。
佐々木:編集の中に、あまり広告的要素が入ると嫌がられるかな…と思っていたのですが、表紙まで連動していただけてうれしかったです。特に電通の雑誌部時代、あまり編集の人たちの気持ちが乗っていない編集タイアップ記事も、経験していたので。
戸髙:「Hanako」は編集記事と広告をあまり区別したくないと思っています。テーマとして面白ければ、きちんと読者に届くと考えています。世の中、晩婚化が進んでいますが、「Hanako」の読者にとっても、結婚や幸せは人生の大きな課題。しずかちゃんがどんなふうに幸せになっていったのかを見せることで、結婚や幸せというテーマを自分事化してもらうきっかけになる、と思ったんです。
現代女性のお手本は、しずかちゃん
佐々木:しずかちゃんは、ダメのび太を時に厳しく叱ったりするけれど、スネ夫やジャイアンのいじめには盾になり、いつも見守ってくれるお姉さんのような存在。そんな彼女が大人になったら、見た目だけでなく内面もきれいで、自立したカッコいい女性になっているはず。ヘアメイクをモリモリバリバリ系ではなく、やや古風で凛としていて、カッコいい女性になっているはず。「女性のお手本となる存在は、実はみんなが知っている、あの『ドラえもん』の中いましたということを伝えたかったんです。
戸髙:今回CMで、しずかちゃん役を演じている水川あさみさんに初めてお会いしたのですが、まさに凛としてカッコいい、素敵な女性ですっかりファンになってしまいました。
佐々木:水川さんは、本当に素敵な女性ですね。もちろん、とても綺麗な方ではありますが、見た目の美しさ以前に、あのキャラクターと気遣いある優しさで皆から愛されているのだと思います。
佐々木:話は変わりますが、NHKの朝の連続テレビ小説「花子とアン」って見たことありますか?
戸髙:あります。
佐々木:あのドラマも女性の生き方を描いていますが、面白いですよね。「あまちゃん」に始まり「ごちそうさん」そして「花子とアン」と、朝の連続テレビ小説が描く女性像が快調に飛ばしていますね、この題名!「Hanako」と「anan」で特集してほしいです。
戸髙:こうやって毎回、佐々木さんからお題をいただくんです(笑)。これからの「Hanako」は街や旅に出かけて美味しいものや、おしゃれを楽しみたいと思ってもらうだけでなく、そのベースとなる暮らし方、美容や健康、結婚や出産、つまり女性の安心をサポートする媒体になりたいと考えています。
佐々木:「オリンピックが開催されます」、「景気が良くなります」と社会全体が前向きになってはいますが、僕は本当に日本が元気になるには、女性が雰囲気だけでなく本当に世に出て活躍していくことが必要じゃないかな、と思っていますね。男がプロトタイプで考える女性像とも違い、いわゆる男顔負け、というのとも違って、男側が自分たちも相当頑張らないとヤバイと焦らせるような女性がたくさん登場してほしい。最近、スプツニ子さんという話題のアーティストにお会いしたのですが、とにかく存在感凄まじく、発想も新しくて、参りました。「しかも、きれい。」…なんというか、この「しかも、きれい。」「しかも、かっこいい」という風に、外見がしかも、のあとに来るような女性の褒め方、が新しい気がしています。「かっこいい女性がたくさんいることで有名な日本」、になるといいですね。「Hanako」と「anan」の特集に期待しています。(笑)
(本文中・敬称略)
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