印刷会社のクリエイティブにどんなイメージが湧くでしょうか。DTPに毛が生えたようなものをやってるんでしょ。とか、安いだけでしょ。とか。うがった見方をするとそんなところでしょう。だからこそ印刷会社のクリエイティブはカレー屋のカツカレーではなく、トンカツ屋のカツカレーを目指さなければと思っています。(決してカレー屋のカツカレーは旨くないと批判しているのではないんですよ。僕はカレーと名のつくものはだいたい大好きだし、いちばん好きなカツカレーは、2000年まで秋葉原駅の昭和通り口にあった『純喫茶メトロ』のごく普通のカツカレーです。話が逸れましたね。カッコを閉じたら戻します。)
印刷会社のクリエイティブは、ただメニューにあるだけではいかん。ここのカツカレーが食べたいというクリエイティブを目指したいということです。だからこそ、心を動かすことのできるコピーの力が必要になります。やはりFCC新人賞を受賞したことは大きな励みになりました。他の制作会社に負けない制作物ができている証ですから。もちろん満足はしていません。むしろ足りないことばかりで、嫌になります。それでもこの仕事をやめられそうにないですけど。
制作物は人。商品や企業に人格をつけることだと思うのです。うるさい、がさつ、自慢話ばかりでは誰も話を聞いてくれません。かわいくて、きれいで、チャーミングに。謙虚でありながら大胆に。世界にひとつだけのモノをつくる島から、そんな制作物をお届けしたいなと考えています。
栗原勲(くりはらいさお)
大洋印刷所属 クリエイティブディレクター・コピーライター。印刷営業を12年経験した後、WEBディレクターを経てコピーライターに。グラフィック制作、WEBサイト制作を中心に、ムービーや展示会のディレクションも。2013年には宣伝会議 編集・ライター養成講座の講師も務める。受賞歴は、2013FCC新人賞・SPBSコピー塾第一回コンペティショングランプリ他。
宣伝会議コピーライター養成講座基礎99期、上級2011年春、9代目中村組、石川・岡本・玉山クラス10期を修了。
『コピーライター養成講座』
一流を育てる実践型カリキュラム
多彩な修了生を輩出している本講座。広告クリエイティブだけでなく、インタラクティブ領域のコミュニケーション、マーケティングやメディアクリエイティブなど、さまざまな視点からコミュニケーションを構築する能力を養い、次世代のクリエイターを育てます。