日本デザイン振興会(JDP)は今年5月、グッドデザイン賞として初の海外における常設の販売・発信拠点となる「GOOD DESIGN STORE」を、香港のデザイン商業施設PMQにオープンした。
開設の目的は、グッドデザイン賞とジャパンデザインに関する販売ストア兼ショウルームとして、定常的な情報発信するため。オープン時点で80点ほどの商品を取り扱い、これ以降は年数回の販売商品の入替を予定している。またスペース内にギャラリーを併設し、グッドデザイン賞受賞企業やデザイナーのプロモーションの場としても活用していく。
GOOD DESIGN STOREのVI(ビジュアルアイデンティティ)は廣村正彰氏が、ストアの空間デザイン・VMDは香港を拠点に活動する、ニューヨーク、東京、ロンドン、香港のアーティストとデザイナーのコラボレーションによるGeneral Storeが担当している。ストアでの販売商品のセレクトも同社とJDPが共同で行っている。グッドデザイン賞受賞商品の中でも、質感、精緻さ、清廉さ、道具としての佇まいなど、「Gマークらしさ」「日本デザインらしさ」を感じさせる要素を持つ商品を中心に選択。さらにグッドデザイン・ロングライフデザイン賞受賞商品からも、文房具や工具を中心に取り扱う。
ストアの入っているPMQ(Police Married Quarters)は、香港のクリエイティブインダストリーを牽引するためのハブとして2014年春、新たに開設された施設。セントラル地区の歴史的建物を保存し、クリエイティブ産業振興に活用しようという政府計画のプロジェクトの一つで、警察官宿舎だった場所をリノベーションしている。現在、100組を超える香港ローカルのクリエイターのショップやレスやレストランなどが入居している。
開業初日となる5月1日にはオープニングレセプションが開催され、香港政府関係者やストア関連企業の関係者、デザイナー、メディア関係者など多くの来場者が集った。PMQのクリエイティブ・プログラムディレクターであるWilliam To氏は「日本のクリエイティブなデザイン力の紹介を目的に、日本デザイン振興会がPMQへの参加を推進してくださることを私は大変喜ばしく思っております。信頼と敬意の上に築かれる私たちの絆は、このコラボレーションにより今後さらに強まることでしょう」とメッセージを寄せている。
GOOD DESIGN STOREでは、6月に予定されるPMQのグランドオープンに合わせて、7月11日にグッドデザイン賞審査委員長の深澤直人氏のセミナーを、PMQや香港デザインセンターと共催で開催する予定。7月の1ヶ月間は、GOOD DESIGN STOREギャラリーで、深澤氏がデザインを手がけたグッドデザイン賞商品を展示する「Naoto Fukasawa meets GOOD DESIGN AWARD」も開催する。
「General Store」関連記事はこちら
「GOOD DESIGN STORE」関連記事はこちら
「PMQ(Police Married Quarters)」関連記事はこちら
GOOD DESIGN STORE
H401, Block B, PMQ N.35 Aberdeen Streen Central, Hong Kong