顧客の声にすぐ対応できる組織づくりを
──社内での情報共有や組織体制についてお聞かせください?
山村:東京の本社は会長と社長以外はフリーアドレス制で、自分専用のデスクがありません。異なる部署の社員同士の距離感を近くすることで、例えばお客様相談室のメンバーから「お客さまからこんなご意見があった」という話を耳にしたとき、近くにいる開発や品質保証の人間に声をかけて5分後にはミーティングができるような環境です。ちなみに、弊社はお客様相談室の業務も、社員で対応しています。
津田:お客さまの声にどれだけ早くレスポンスできるかが勝負だと思っています。毎日お客さまの声を何百件とうかがっている中には、これぞというヒントが隠されているときもあります。そのため担当者には、「ピーンと勘が働いたらすぐに報告しなさい」と伝えてあります。先ほど話した例にもあるように、単純に、「意見の数」だけで判断すべきではありませんし、やはり現場の「勘」、「直観」は大切です。それが担当者レベルで対応できる改善案であれば、すぐに実行に移した方が絶対に良いですね。
──最近の取り組みについて教えてください。
山村:お客さまとの、ダイレクトな接点づくりに力を入れています。例えば、東京駅をはじめとした全国に7店舗ほどあるカルビーのアンテナショップ「Calbee+(カルビープラス)」の運営、阪急うめだ本店の「GRAND Calbee(グランカルビー)」や阪神梅田本店の「grano-ya(グラノヤ)などの百貨店直営店にもチャレンジを始めました。失敗を恐れず、何でもとりあえずやってみようという風土は確実に根付いています。
津田:最近行っているのがTwitterやFacebookなど、ソーシャルメディアのさまざまな動きを一度に見られるサービスの活用です。TwitterやFacebookそれぞれだけでは分析できない、同じ人がSNSによって発言内容や表現をどう変えているかといったことが分かるなど、発見が多く興味深いですね。SNSの取り組みは各社も苦労されているとは思うのですが、時代も技術も進歩してきますので、様々なツールを臨機応変に活用しながらお客さまの声を吸い上げていきたいと思っています。