受け手は「ターゲット」ではなく「お客さま」
——企画を考える際に、「ターゲット」層を意識していますか?
鹿毛:「ターゲット層」という考えを、まずは一度取り払うようにしています。ターゲットを設定することによって、自らお客さまを狭めているように思うからです。先日、新入社員が「ターゲットは~」なんて言うから、思わず「上から目線で『ターゲット』なんて言うな!『お客さま』と言いなさい。俺たちは、お客さまに喜ばれて初めて生きていけるんだ!」と言ってしまった。でもそのときに、「ターゲット」というのは、すごく上から目線の言葉なのだと改めて思いました。
——「受け手との目線の合わせ方」に3人の共通点があるかな、と思います。クリエイティブに優しさがあるというか。
谷口:私は長年、武道を習っているのですが、武道の世界には「礼儀は用心」という言葉があるんです。これが、コンテンツ作りにもつながるかな、と。相手をなめてかかったような態度は、絶対に受け手に伝わりますから。
野呂:愛される企画を生み出すためには、一人ひとりが身近な人、上司や部下、クライアントに愛されるようになることが大切。愛される人・企業になれば、ある程度は何をやってもOKになります。そうなるのが一番ですね。