「個人」の時代、あらためてメディアの役割を考える/アドタイ・デイズレポート(8)

個人の発信を支えることもメディアの役割

——今後、マスメディアができることは何でしょうか。

竹下:個人の発信を支えることもメディアの役割だと思います。アメリカ政府の機密を暴露したスノーデン事件でも、スノーデン氏という個人が発信した情報を、イギリスの大手メディアであるガーディアンがフォローしました。

個人が情報発信するようになるとメディアの役割は終わってしまうという言い方がされたこともありましたが、そうではないと思います。

日本放送協会(NHK) 阿部 博史 氏

阿部:メディアのプロ以外にも、多くの専門家や一般の人、学生などが「語りたい」「伝えたい」というワクワク感を発信する時代に突入しています。

情報発信リテラシーが今以上に備わっていき、情報の精度と量が閾値を超えた時には、それらを集約し、伝えていくこともメディアの仕事になると考えています。

佐々木:ジャーナリストを育成する役割も大きくなるでしょう。報道分野はプロのジャーナリストが担当し続けるでしょうが、ビジネス分野では個人ジャーナリストの発言がさらに増えていくと考えています。

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