アドタイデイズレポート(KPIソリューションズ、ニジボックス、ビービット、マクロミル)

目次

オムニチャネル時代の最新リサーチ手法
〜デバイスやチャネルを横断する生活者の行動・ニーズを捉えるには

<登壇者>

  • ビービット エグゼクティブマネージャ 宮坂祐 氏

スマートフォンやタブレットが普及し、消費者が触れる情報やメディアはあふれている。また、テレビやラジオ、新聞、雑誌といった従来型のメディアもいまだに存在感を保っている。多様化する消費者との接点において、デバイスやチャネルごとに、費用対効果を高めることやビジネス上の成果を上げる努力が各企業でなされている。

ビービットの宮坂祐氏は、これからは消費者を軸にして、その行動を分析しデバイスやチャネルを横断したコミュニケーションのモデルを築くことが「今後のあるべき姿」だと語った。

ビービット 宮坂祐 氏

ビービット 宮坂祐 氏

軸となる消費者の行動を分析する手法として、企業やブランドと接触した事実を、その場でスマートフォンからメールやSNSを使って写真と共に報告してもらう、同社の新手法「リアルタイム・エクスペリエンス・トラッキング(RET)」を紹介した。

その一番の特長は、オンライン上の行動だけでなく、オフラインも含めた消費者との接点を調査できるようになることだ。

さらに、消費者がスマートフォンとPCを横断し、どのように使い分けているのかも追うことができる。そして、行動を起こしたその場で報告をあげてもらうため、あいまいな記憶に頼らず、消費者の日常をそのままリアルタイムに把握できる。

宮坂氏は、このようなRETの特長を活用して分析できることを、事例を挙げながら四つに整理した。ひとつは、顧客接点がどこにあるのか、消費者のニーズが顕在化していない潜在的なものも含め把握できること。

次に、消費者の生活という時系列の中で、そのタッチポイントとタッチポイントがどのように関連しているのか、アクションを促すきっかけとなる接触は何かを推測することができるようになること。

三つ目は、他社製品やサービスとの接触も報告されるため、自社と競合の関係性もわかるようになること。

最後は、インタビューやアンケートでは分からない普段の会話もされることから、口コミ等も含めて、消費者の意思決定に何が影響を与えているのかもわかるようになることを挙げた。

これらすべてに共通するのは、消費者の行動を捉えようとしていることで、「お客様の意見を聞くのではなくて、生の行動を見て、その心理を推察することが重要」と強調した。

チャネルを横断し、リアルタイムの行動を可視化するという調査手法は、オムニチャネル時代における進化型リサーチといえる。同社は、こうした時代に合わせた調査手法を多くの企業が実践することを望んでいるという。

最後に、同社ではRET調査や行動観察をふまえたサイト改善など、中国でも同様のサービスを展開していると話し、締めくくった。

日本でもセルフアンケートがいよいよ本格化。今後のリサーチ動向について――マクロミル

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