目次
- 1ページ目 ターゲティングの「5W」と「3つのP」――アドビ システムズ
- 2ページ目 体験価値を高める、データドリブン コンテンツマーケティング(DDCM)――アドビ システムズ
- 3ページ目 購買情報(POS)をもとにしたターゲティングによる新しい広告の可能性――カタリナ マーケティング ジャパン
- 4ページ目 消費者の視線を可視化し、広告効果最大化を図る~マーケティングリサーチにおけるアイトラッキング活用技術~――トビー・テクノロジー
消費者の視線を可視化し、広告効果最大化を図る
~マーケティングリサーチにおけるアイトラッキング活用技術~
<登壇者>
- トビー・テクノロジー 代表取締役社長 蜂巣 健一 氏
約50年前に始まったアイトラッキングは、人がどこを見ているか(眼球がどこを向いているか)を測定する技術で、学術研究で育まれ、その後、マーケティングリサーチに広がっている。一方で、インターフェイスとしての活用も始まり、福祉からマスマーケットに広がろうとしています。
トビー・テクノロジーはマーケティングリサーチとインターフェイスの2本柱でビジネスを展開しているアイトラッキング世界シェア1位の企業だ。
マーケティングリサーチでは、商品パッケージや店頭POPの効果検証、発券機や銀行ATMなどのユーザビリティの検証、広告効果の調査などで活用されている。
蜂巣氏はマーケティングリサーチにおけるアイトラッキングの強みを「被験者の無意識や本音を拾うことができる点だ」と話す。
アンケートやインタビューでは被験者が建前で話をしている可能性もあるので本音を知るのは難しいが、アイトラッキングは無意識のうちに見ているので注意喚起や興味喚起ができたとわかる。
ただしポジティブな興味なのかネガティブな興味なのかはわからないため、アンケートやインタビューの結果と比較・補完し合う形で活用されることが多い。
商品につけたキャラクターによってイメージアップの効果があったかどうかの検証や、店頭における効果的な棚割やPOPの設置位置の割り出しなど、アイトラッキングの活用シーンは多岐にわたる。
清涼飲料水の自動販売機の事例では、視線移動を法則化したZの法則に基づき一番見られる場所と考えられている左上に主幹商品を入れていたが、アイトラッキングの結果に基づき左下に移動したところ売上が2桁アップした。
交通広告や壁面広告では、注目度、印象、記憶等と設置場所との相関関係を調査して、設置場所の相場を決める際の係数としてアイトラッキングを使う動きが出てきているという。
テレビ広告では視線と離脱率を計測して分析することで、見せたいものを注視させる最適な方法の検証が可能。インフォマーシャルではどのくらいの時間でどれくらいの情報量を受け取っているかを調べることもできる。
他にも、交通標識の適切な大きさや設置位置の検証、スポーツ広告はどこが一番見られるのか、ゲームと広告のバランスの最適化など、多くの事例があることを紹介して、マーケティングリサーチにおけるアイトラッキングがいかに有用であるか示した。
生理現象と組みあわせた分析技術の開発も進んでおり、蜂巣氏は「話を聞くよりも正確なデータが取れるようになる日がくるだろう」と語った。