ウルトラヒーローの握手会やスタンプラリーで
Tポイント導入をアピール
Tポイント・ジャパンとヤフーは、東京都・世田谷区祖師谷の通称”ウルトラマン商店街”の「Tポイント」導入を記念した集客イベントを6月1日に行った。
祖師ヶ谷大蔵駅周辺の3商店街(祖師谷みなみ商店街、祖師谷商店街、祖師谷昇進会商店街)がTポイントを導入したのは5月18日で、41店舗が参加。キャンペーン期間として、6月15日までは対象店舗でのTポイントが3倍になることから、イベントは商店街でTポイントが使える店舗がたくさんあることを広く告知して利用を促すことが目的。
集客施策としてウルトラヒーローとの握手会や、商店街の加盟店43店舗(もともとのTポイント加盟企業を含む)のスタンプラリーを行った。
祖師谷大蔵の駅前や握手会近くの場所にはテントを設け、Tカードとともにポイント3倍キャンペーンのリーフレットとを配布。配布したTカードは、そのままポイントを貯めることが可能で、ポイントを利用する場合はネット上で登録手続きを行うようになっていた。
周辺住民の保有率70%が導入の大きな理由に
今回、商店街で初めてTポイントを導入した背景として大きかったのが、祖師ヶ谷大蔵周辺住民のTカード保有率の高さ。約70%もの人が加入していて、これは全国平均よりもかなり高い割合だという。
「そもそものきっかけは、ある店舗の店主が“Tポイントに加盟したい”と問い合わせしたこと。ただ個人商店が加盟するには、諸々の負担が大きすぎた。そこで、商店街単位での加盟を考えた」(祖師谷商店街振興組合 理事長 石川征男氏)。
そうして、2013年の9月ごろから本格的に検討。商店街からの相談にヤフー側が応え、設備投資の負担などの課題を解消。
先ほどの周辺地域の保有率の高さや、「Tカード保有者は商店街で導入しているスタンプ制度とは別の層への訴求につながる」(祖師谷みなみ商店街 理事長 小島孝氏)こと、商店街のTポイント導入は初めてなので話題性が高いこと、さらに事前に各店舗に対してこうした仕組みの導入に対してアンケートを実施したところ、肯定的な意見が多かったことも後押しし、導入にいたったという。
Tポイントの加盟店には、レジ付近にTカードを読み取るスキャナーが付いたタブレットが設置されていている。「Tカード商店街の店主には、高齢な方も多いが、タブレットの操作も簡単で分かりやすい」と小島氏。
同商店街では、すでに「ウルトラマン商店街スタンプ」という、購入金額に応じてポイントが貯まる仕組みを約60店舗で導入しているので、両方導入している店舗では、顧客側がどちらのポイントにするのか選べるようになっている。
導入の効果について、祖師谷昇進会商店街振興組合 理事長 田中彰氏は「導入してまだ2週間なので、効果についてはこれから。現在、導入店舗は43店舗だが、3商店街を合わせると店舗数は500にもなる。
成果を積み重ねていき、この取り組みをさらに広げていければ。また、ポイントを付与するだけではなく、将来的にはデータを使って商店街のさまざまな情報を発信していきたいと考えている」と期待を語った。
30~40代の顧客を開拓、Tカード利用者はスムーズにレジで提示
導入店舗の一つである、まごころ銘茶 松田園は「今後、5年後、10年後を考え、30~40代の顧客を取り込んでいきたいと思い、導入を決めた。商店街のスタンプだと50~60代が多いので、違った客層を取り込めると考えた。ポイントを新たに集め始めるのはハードルが高いが、すでに貯めているポイントが別の店でも貯まるようになるのであれば利用のハードルも低くなる。実際、お客さまから“Tポイントが貯まるようになったんだね”とよく言われるようになった」と話す。
まずは、利用できることについて告知をしっかりと行っていき、その後は、周辺地域、ターゲットなどを限定してメールを送付するといった施策も行っていきたいという。和菓子店「やまと屋」では、「Tポイントが貯まることを告知するのぼりやステッカーがあるので、持っている方は会計時にさっとカードを提示なさる。長期的に見て成果につながれば」と話す。
今回の導入をサポートした、ヤフー 決済金融カンパニー 決済金融本部決済企画部 野村晃一氏は「今回は、商店街のTポイント導入の初めての事例となる。地域を活性化する取り組みとして、ここでの知見をさらに広げていきたい」と話す。
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