「勘と経験」頼みのマーケティングが変わる
登壇者
- 株式会社すかいらーく マーケティング本部 インサイト戦略グループ ディレクター 神谷勇樹氏
- ギャップジャパン株式会社 マーケティング デジタル&CRM シニアマネージャー 永田龍太郎氏
- 株式会社ジュピターテレコム グループ戦略本部 副本部長兼マーケティング部長 齋藤陽史氏
データ分析はマーケターを進化させるのか?
――「データ分析」という概念の登場はマーケティングの歴史の中で非常に劇的な変化であり、様々な可能性があるのではないでしょうか。神谷さんはグリーのご出身、永田さんは広告会社のご出身、齋藤さんは国内外多数の企業でのマーケティング責任者を歴任してきた…といったように皆さん、数々の現場を経験されてきましたが、今の実感としては、いかがですか。
神谷:すかいらーくグループは全体で年間延べ約4億人のお客さまに利用いただいています。
マーケティング・コミュニケーションの方法といえば、従来は主に新聞折り込みチラシを利用してきましたが、20代、30代にメッセージを到達させようとすると、新聞折り込みチラシだけでは難しい。
こうした環境の変化に対応するため、これまでの勘と経験に頼りがちだったマーケティングから、「勘と経験を補足する、データに基づく科学的手法」を取り入れたマーケティング手法に挑戦しているところです。
永田:Gapジャパンでは日本国内にアウトレットを含む約140店舗を展開しています。Gapといえば“ファッションブランド”というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、自分たちでは生鮮食料品を扱うスーパーのような“回転の速い小売業”という認識でいます。
アクティブ会員が百数十万人いる「GAPメンバーシップ」という顧客の会員組織もあり、こうした顧客基盤を活かしながら、オムニチャネルを最重要戦略のひとつと位置付け、マーケティング施策を進めています。
齋藤:ジュピターテレコムはケーブルテレビ、高速インターネット接続、コンテンツ制作などの事業を行っています。現在、加入世帯数は約500万で、営業担当者、機器の設置スタッフ、カスタマーセンターのスタッフなどを含めると、お客様と直接コンタクトを持つ人員は約1万人います。
こうしたスタッフが直接得てくる顧客情報と、サイト閲覧などによってもたらされる顧客情報とが、現状ではまだ十分に連携されていないので、この部分の強化に取り組んでいるところです。