「勘と経験」頼みのマーケティングが変わる/アドタイ・デイズレポート(17)

「アドタイ」上でも「データサイエンティストって、ぶっちゃけどうなの?」といった議論を交わす記事がアクセスを集めるなど、企業のデータ活用は注目度が高いテーマとなっている。本講演では、顧客サービスや経営の意思決定にデータを活用しようと取り組む3社が、現状の課題と社内の理解度を語った。

「勘と経験」頼みのマーケティングが変わる

登壇者

  • 株式会社すかいらーく マーケティング本部 インサイト戦略グループ ディレクター 神谷勇樹氏
  • ギャップジャパン株式会社 マーケティング デジタル&CRM シニアマネージャー 永田龍太郎氏
  • 株式会社ジュピターテレコム グループ戦略本部 副本部長兼マーケティング部長 齋藤陽史氏

データ分析はマーケターを進化させるのか?

――「データ分析」という概念の登場はマーケティングの歴史の中で非常に劇的な変化であり、様々な可能性があるのではないでしょうか。神谷さんはグリーのご出身、永田さんは広告会社のご出身、齋藤さんは国内外多数の企業でのマーケティング責任者を歴任してきた…といったように皆さん、数々の現場を経験されてきましたが、今の実感としては、いかがですか。

神谷:すかいらーくグループは全体で年間延べ約4億人のお客さまに利用いただいています。

マーケティング・コミュニケーションの方法といえば、従来は主に新聞折り込みチラシを利用してきましたが、20代、30代にメッセージを到達させようとすると、新聞折り込みチラシだけでは難しい。

こうした環境の変化に対応するため、これまでの勘と経験に頼りがちだったマーケティングから、「勘と経験を補足する、データに基づく科学的手法」を取り入れたマーケティング手法に挑戦しているところです。

ギャップジャパン 永田龍太郎氏

ギャップジャパン 永田龍太郎氏

永田:Gapジャパンでは日本国内にアウトレットを含む約140店舗を展開しています。Gapといえば“ファッションブランド”というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、自分たちでは生鮮食料品を扱うスーパーのような“回転の速い小売業”という認識でいます。

アクティブ会員が百数十万人いる「GAPメンバーシップ」という顧客の会員組織もあり、こうした顧客基盤を活かしながら、オムニチャネルを最重要戦略のひとつと位置付け、マーケティング施策を進めています。

齋藤:ジュピターテレコムはケーブルテレビ、高速インターネット接続、コンテンツ制作などの事業を行っています。現在、加入世帯数は約500万で、営業担当者、機器の設置スタッフ、カスタマーセンターのスタッフなどを含めると、お客様と直接コンタクトを持つ人員は約1万人います。

こうしたスタッフが直接得てくる顧客情報と、サイト閲覧などによってもたらされる顧客情報とが、現状ではまだ十分に連携されていないので、この部分の強化に取り組んでいるところです。

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