名物「5ワードスピーチ」、今年のハイライトは?
Webbyと言えば、会場のテレビカメラが回るセンターステージでスポットを浴びながら繰り広げられる、受賞者による「5ワードスピーチ」が有名だ。
これはそもそも受賞者のスピーチタイムを短縮するための苦肉の策であったが、いまやWebbyの代名詞となり毎年あらゆるメディアに取り上げられている。
この5ワードバトルが受賞者や特別ゲストらによって今年も展開された。
◇Sir Tim Berners-Lee
World Wide Webを設立したことで有名なSir Tim Berners-Leeのスピーチ。インターネット誕生から25周年を記念し、最後のゲストとして壇上に上がった同氏は、オンライン上で危ぶまれている透明性、発言の自由化について熱く語った。そして、それを変える力は「it’s up to you(きみら次第)」だと呼びかけた。
◇バンクシー
グラフィティアーティストとして隠れた存在ではあるが、その作品の数多くは億単位の値段がつくほど高く評価されている「バンクシー」。今年のPerson of the yearを受賞している。
バンクシーは一カ月間毎日NYのどこかに出現することを表明し、街中を騒がせた。もちろん受賞には現れないが、残した5ワードスピーチは「I’m not Banksy」。
◇ディラソール
80年代R&Bからヒップホップの先端を突き進んできたディラソールがArtist of the yearを受賞し、オンライン上での著作権について語った。
ディラソールと言えば多くがR&Bからのサンプリングをベースとしたチューンとして有名だが、当時サンプリングするための著作権、使用権の法律が定められておらず法廷で苦労したグループである。
去年そのバリアをうち砕くためオンライン上で無料ダウンロードできる著作権フリーミュージックをリリースしたことが評価された。ステージでの言葉はマイクをチェックするかのように「Testing one two, Check one.」で締めくくられた。
Leica、Vimeoによりスポンサーされているアフターパーティではフォトブースで撮影した写真を瞬時に会場のモーショングラフィックと連動させてディスプレイし会場との一体感を演出していた。
日本からは11の受賞作品
今年、日本からの応募作のうち11作品が受賞し、8作品がノミネート (最終審査ファイナリスト)に残った。そのうち2つを紹介しよう。
◆デジタル キャンペーン部門 WINNER
ホンダ「Sounds of Honda」(電通)
アイルトン・セナから始まったホンダとドライバーのリアルタイムデータ形跡収集技術。24年後、セナがたたき出したあの伝説のコース記録を現在の最先端技術を駆使し音と光で再現させた。
◆CSR キャンペーン部門 WINNER
ヤフー「Hands on Search(さわれる検索)」(博報堂ケトル)
Yahoo!JapanのCSR活動として、3Dプリンターを視覚障害者教育の検索窓口として設置し、「検索」に実際触れてもらう支援プログラム。
会場には来ることはできなかったが、日本の博報堂ケトルからの5ワードビデオレターも会場を盛り上げた。
「Technology always needs something human」
その他の受賞作品も、Webby Awardsのサイトから見ることができるので、ぜひチェックしてみてほしい。
藤村紘一
インターブランド・ジャパン Digital Brand Consultant
日本生まれのアメリカ育ち。大学卒業後、ワシントンDCのOgilvy PRに入社。The Centers for Control Disease、National Institute of Healthなどアメリカ政府関連のクライアントにデジタルデザインに携わる。帰国後、博報堂i-studioへ入社。アートディレクション、インタラクティブデザイン、プランニングのキャリアを積み、現職では日々新たなブランドエクスペリエンスを追求している。
日本とアメリカの両国でインタラクティブに携わった立場から、日米間の人脈・技術を双方に共有そして刺激すべくWebby Awardsの公式グローバル・アンバサダーとして活躍している。
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