Pd名引 佑季の『生意気言ってすいません(2)』

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名引 佑季(パラドックス・クリエイティブ所属 ディレクター兼コピーライター)

正しくより、楽しく仕事がしたいっ!

最近、バーで友人たちと飲んでいたら、
見知らぬ30代後半くらいの男性に声をかけられ、
「めっちゃタイプで一目惚れしたよ」と言われました。

?????????!!!?

「いやいやいやいや~、酔い過ぎやでじぶんっ!」
ってツッコンだら、どうやらマジみたい。
ローマ人のように気持ちよければ同性異性関係あらへんひととのこと。
結局、本気で拒否って諦めてもらいました。
少し時間が経って、隣の隣のテーブルにいるその男の様子を恐る恐る見ると、
こっちを見てニヤニヤ笑っていました……。

——どーも、女性の「あの男、生理的にムリ。キモイ!」という心理を理解した名引です。

最近、ラフ用の撮影で泥棒のコスプレをしました。
お客さんにはとてもそんな格好をさせられないので、
ここはディレクターとして、企画やコピーを考えた者として、
百貨店をまわって衣装を購入し、自ら演じたわけです。

スーツでビシッとキメていたのが……

10分後にはこうなっとるわけです。
おかあさん、ごめんなさい。これも仕事なんです。

ヒゲは筆ペンでお客さんの女性担当者の方に塗ってもらいました。
担当者「えー! やだ、わたしヒゲなんて塗ったことがないんですけど」
名引「大丈夫。世の中の大半がそうです。どうぞ、ひと思いにっ!」
こんな感じで、撮影現場はずっと笑いにあふれていました。

最近思うのが、制作のプロセス自体にもこだわっていかなきゃということ。
気を利かせてお客さんの負担をできるだけ減らしたり、
何でも相談してもらえるほど頼りにしてもらったり、
「この人なら任せても大丈夫」と安心してもらったり、
きちんと寸分の狂いなくスケジュール通りに進めたり……。
ディレクターによって、いろんな在り方があるのだろうと思います。
パラドックスに入って3年近くになり、
徐々に感じている自分にとっていちばん気持ちのいい在り方は、
“想いを伝えながら、お客さんやブレーンさんと楽しく仕事をする”こと。

正しくあろうとしすぎるより、たとえ多少ど真ん中からズレていたとしても、
オモロイ!って思うもんを一緒に楽しみながらつくっていけばええやん!

そう思えたら、ふと肩の力が抜け、かえって良いモノが
できるようになってきたような気がする今日この頃です。

営業がいなくて、クリエイターが直接クライアントとやり取りし、
最適なフォーメーションを組んでいけるパラドックス・クリエイティブだから
この面白みを味わえるのかもしれませんね(はい、宣伝はいりましたー!)。

次ページ 「賞は獲ることより、どう利用するかが大事。」に続く

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