「ファン」という言葉は、ユーザーのブランド関与度を示しています。
多くの商品やサービスでは、「ファン」→「購入した人」→「検討している人」→「興味がある人」→「無関心の人」という具合に、関与度が下がるに従ってボリュームが大きくなります。
広告の考え方では、こうした関与度によって、その人に向けた有効な伝達手段は違ってくるとしています。
例えば、その商品やサービスに興味がある人には、テレビや新聞などのマスメディアは有効です。
自分の関心事として目に留まるからです。
しかし、無関心な人には、いくらアプローチしてもスルーされてしまいます。
興味のない人を振り向かせるのは難しいのです。
これを打破するのに有効なのが、友達からの口コミです。
商品やサービスに興味がなくても、友達の話には興味があります。
アンバサダーに、ソーシャルメディア上で商品やサービスの話をしてもらうことは、この無関心層を振り向かせるのに有力だというわけです。
僕も、IT関連やオンラインサービスを提供するクライアントには、レバレッジ効果が得られやすいこともあって、アンバサダープログラムをお薦めしています。
アンバサダーを任命するためには、まずファンを可視化する必要があります。
そのためには、どうすれば自社ブランドのファンであることを公言したくなるかを考えなければなりません。
つまり、ファンであることに誇りを持ってもらうために、何ができるかということです。
例えば、前回の衆院選と参院選の際に、「I WILL VOTE(アイ・ウィル・ボート)」という、20代の有志が運営するプロジェクトがありました。
これは、若者の投票率を上げようと「選挙に行こう」と呼び掛けるものでした。
このプロジェクトでは、賛同してくれた人たちに、その意思表明としてフェイスブックやツイッターのアイコンに「I WILL VOTE=選挙に行きます!」というバッジを付けてもらうという取り組みをしていました。
アイコンにバッジを付けると、それを見たフォロワーが影響を受けるわけですが、何より「意識高い系」としてカッコよく見えます。
つまり、賛同者にとって自分のパーソナルブランディングにもつながることがミソだったのです。