もうひとつ、アンバサダープログラムで大事なことは、金銭的なインセンティブを付与しないことです。
例えば、料理レシピのクックパッドは、金銭的なインセンティブがなかったからこそ成長したことで有名です。
クックパッドのユーザーは、基本的に他のユーザーから評価されることが、レシピ投稿のモチベーションになっています。
それによって、質の高いレシピが集まり続けているわけです。
もしここにポイントプログラムのような金銭的インセンティブをつけてしまうと、ポイント目当てに何でもかんでも投稿するユーザーが増えて、投稿レシピの質が下がってしまいます。
ユーザーが欲しいのは、お金ではなく評価なのです。
エバーノートもアンバサダープログラムを取り入れています。
世界各国でエバーノートの活用方法を発信していたユーザーを公式アンバサダーとして任命して、本人と共にその活用方法を公式サイトに掲載していくというものです。
これもブランドから公式に任命されたという誇りこそが、ファンにとっての最大の喜びになっているのでしょう。
お金より評価や誇り。
こういったモチベーションは、人間だけが持つものです。
アンバサダーという「人を起点としたマーケティング」への取り組みは、こういったことを理解することから始まるのだと思います。
京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)
京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)
大手銀行でM&Aアドバイザーを経て、2001年電通入社。
主に、グローバルブランドやITサービス、スタートアップ企業を担当し、
ソーシャルメディア・デジタル領域を中心とするエンゲージメント・プランニングや、
データサイエンスに基づくグロースハックを手がける。
カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルに毎年参加している。
著書に『ロングエンゲージメント』(あさ出版)、『つなげる広告』(アスキー新書)など。
東京都市大学非常勤講師。
京井 良彦(電通 マーケティング・デザイン・センター プランニング・ディレクター)
大手銀行でM&Aアドバイザーを経て、2001年電通入社。
主に、グローバルブランドやITサービス、スタートアップ企業を担当し、
ソーシャルメディア・デジタル領域を中心とするエンゲージメント・プランニングや、
データサイエンスに基づくグロースハックを手がける。
カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルに毎年参加している。
著書に『ロングエンゲージメント』(あさ出版)、『つなげる広告』(アスキー新書)など。
東京都市大学非常勤講師。
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