カンヌはクリエイティビティを武器に仕事をする人たちが輝くためのステージ――テリー・サベージ会長インタビュー

今年のカンヌの動向は?LIONS FESTIVAL Chairman Terry Savage氏に話を聞きました。


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――今年から、新たに「Lions Health」が始まりました。カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバルの一部門ではなく、別のフェスティバルとして設立に至った理由とは。

理由は二つあります。一つはこの領域は、例えば広告においても独自のルールがあり、従来のフェスティバルとは分けて審査をしたほうがよいという理由。また他と異なり。「Lions Health」に参加をする人の多くが、その分野以外には興味がないという人が多いため、分けて開催することにしました。

ヘルスケア領域は、デジタルの活用も積極的ではないなど、コミュニケーションにおいて多少、保守的なところがあったと思います。今回の「Lions Health」を通じ、この業界のクリエイティブの底上げにつながればとも考えています。

――昨年の「ソーシャルグッド」など、カンヌからはいつも新しい潮流が生まれます。

カンヌはあくまで、クリエイティビティを武器に仕事をする人たちがインスパイアを受け、そして最高に輝くためのプラットフォームにすぎないと考えています。ただ、その舞台の適切な演出の仕方は時代とともに変わるもの。部門の新設も、最高のステージを演出するための一つです。

ですから、カンヌからクリエイティブの新しい潮流が生まれたとしても、それは私たちが何かを意図して、つくろうと考えているものではなく、あくまで結果です。

――今年も日本から多くの参加者がいます。

審査員、スピーカー、プレスを含めると今年も500名以上の方が、いま日本からカンヌに参加をしています。

私も個人的に、東京も箱根も京都も日本は大好きですが、日本の文化を背景にしたクリエイティブは世界的に見ても独自性があり、他の海外のアワードやカンファレンスでも日本からスピーカーを呼びたいという声は多く聞いています。

――カンヌの名称から「広告」が消え、今年はプロダクトデザインの部門が新設されるなど、広告の領域にとどまらない進化を遂げています。

マーケティング・コミュニケーション活動における課題解決のソリューションが「広告」の領域にとどまらなくなっていたことから、名称を変えましたが、その後、さらにクリエイティブのソリューションの形は、多様化してきています。それにあわせて、部門も変化をしてきました。

そうした変化にあわせて進化を遂げ、カンヌはビジネスはもちろん社会にイノベーションを起こすようなクリエイティブなアイデアを生み出す人たちにインスパイアを与えつづけられるステージでありたいと考えています。

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