谷山雅計審査委員長と振り返るTCC賞2014(前編)

タカハシ:今年、谷山さんが審査委員長となり、新人賞の受賞数は従来とほぼ同数(最高新人賞を含めて21名)に戻りました。そのことについては、実際に審査をしてみて、どう感じられていますか。

谷山:新人賞の人数については、今年はTCC全会員にアンケートを取りました。そのアンケート結果で、支持が多かったため20人強の新人賞を選出したということです。21人でも厳しいハードルですよ。はっきりいって、一般の年鑑掲載レベルより厳しいと思います。

昨年は「10人」しか選ばないことによって、その人たちの存在感を上げようという試みだったと感じます。

ただ自分の新人賞を振り返ると、10人だったら絶対新人賞を獲れていない順位にいたんじゃないでしょうか。正直なところを言えば、自分が超えていないハードルを若者に課すのは恥ずかしくて嫌だったという気持ちはありましたね。

コピーライターという仕事はもちろん資格がなくてもできますが、同時に「本当に自分はやっていけるのかな」という、いつも不安を持つ仕事でもあるじゃないですか。その時に、「お前、大丈夫だよ」って背中を押してあげる、認めてあげることが、賞というもののひとつの役割だと思っています。

今年は21人の受賞ですが、新人賞の全応募者に対して4.9%くらいだから、過去の平均に比べるとそれでも厳しかったと思います。

賞だから厳しさは必要ですが、頑張ったらハードルを超えられる!とみんなが実感を持てるぐらいの人数にしたほうが、若い人たちの背中を押したり、応援になりうるんじゃないかなという気持ちもありました。(後編に続く



谷山雅計
1961年大阪生まれ。1984年東京大学教養学部卒業後、博報堂入社。制作局を経て1997年独立。フリーランスのコピーライターとなる。本年度TCC賞審査委員長を務めると同時に、年鑑制作にも編集委員として参加している。

タカハシマコト
1975年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業後、博報堂に入社。コピーライターtとして活動後、2014年5月“ニュースをつくるクリエイティブエージェンシー”NEWSYを設立。代表取締役CCOを務めている。6月にニュースサイト「しらべぇ」を立ち上げた。

TCC広告賞展2014 概要

開催中、7月13日(日)まで、アド・ミュージアム東京にて。
平日:11時~18時30分 (最終入館時間 18時)
土曜日・日曜日・祝日:11時~16時30分 (最終入館時間 16時)
休館日:月曜日

1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ