宣伝会議インターネットフォーラム 2014レポート(日本IBM、富士通、フリークアウト)

カスタマーエクスペリエンスの向上でマーケティング成果を最大化~顧客行動を再現・可視化し、ROI 500%アップを3カ月で実現させた仕組み~

講演者

  • Julian Toohey(IBM Corporation)

消費者がオンラインで過ごす時間が拡大するのに伴い、ビジネスの主戦場もまたオンラインへと移行している。そうした中、いま重要視されているのがオンライン上でのカスタマーエクスペリエンス(CX)だ。

Julian Toohey(IBM Corporation)

Julian Toohey(IBM Corporation)

今回の講演のために来日したIBM CorporationのJulian Toohey氏は、「お客様とのあらゆるインタラクションがCX。その質が企業の競争力を左右する」と語り、US Airwaysの事例を紹介。

これまで航空会社が提供するエクスペリエンスは、主にクルーによる人的なサービスを中心に考えられてきた。しかし、US Airwayは「チケットを予約した時から、CXは始まっている」と考え、各チャネルから得られる顧客のデータベースを結合・分析することで、どんな嗜好性を持ったお客様が、どんな意図で行動しているのかを把握。

その結果、例えば過去にアップグレードサービスを利用しているお客様には、自動チェックイン機でアップグレードのリコメンドを表示するなどの対応を始めた。

また、Julian氏は「企業は平均的に自社のWEBサイトにお客様を誘導するために、1人当たり約92ドルの投資をしているが、サイト上でコンバージョンに至るまでの投資は1ドルしか行われていないという統計結果がある。

これは、まだ多くの企業がCXを重視していないということ」という見解も提示。CXを改善しないことで、企業側で機会損失が生まれていることに加え、SNSが浸透し消費者が発信力を持った今、悪いCXの提供は企業のリスクになると話した。

講演の最後にJulian氏は、最適なCXを提供するソリューションとして、ネット小売業のトップ100社中44社、米国の最大手銀行10行中8行で採用されているIBM「Tealeaf」を紹介。

「Tealeaf」は複数チャネルでの「個客」とのインタラクションを統合・把握し、障壁を可視化。それに基づく、最適な改善施策を実行まで支援するソリューションで、導入したAir Canadaでは1カ月でこれまで機会損失していた売上を取戻し、ソリューション投資分を回収したという実績もある。

Julian氏は「『Tealeaf』を通じ、消費者の全てのセッションを統合して理解し、“個客”マーケティング実現を支援していきたい」と話し、講演を締めくくった。

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