点と線でユーザー心理を紐解くアクセス解析手法の提案
講演者
- 馬谷 達也(PLAN-B)
フォレスター、ガードナーのWeb Contents Management評価にて、最高評価を獲得した「Adobe Experience Manager」。デジタルマーケティングプラットフォームとその他の関連するリソースとのシームレスな連携により、「カスタマーエクスペリエンス」と「ブランドエクスペリエンス」の分野において、特出した存在となっていることが評価のポイントとなっている。
アクセス解析をサイト改善に有効活用できていない企業は少なくない。SEO対策国内トップクラスの実績を持つPLAN-Bの馬谷達也氏は、解析結果を効率的・効果的な改善に結びつける手法を提案した。
アクセス解析は①問題提起、②課題設定、③解決方法の立案という3ステップで行うが、解析ツールを使いこなすスキルとノウハウが必要で難易度が高い。
解析手法には「仮説検証型」と「探索検証型」がよく用いられるが、同社では比較的取り組みやすい「仮説検証型」を推奨。そのフローは5段階で、①仮説立案(ユーザーの目的がスムーズに達成されるかシミュレーションしてサイトの強みを理解)、②データ設計・データ集積(2次調査で仮説立案に客観性を持たせる)、③改善考察(仮説に基づいた問題解決法を立案)、④比較検証データ設計(比較するデータを決めて、改善施策の成功可否を定量化)、⑤比較検証(比較から次の課題の解決策の考察を行う)。こうして新たに出てきた仮説をもとに①へ戻りPDCAサイクルを回していく。
言葉にすると簡単だが、数字から問題提起や課題設定を行うのは難しい。アクセス解析の情報はクッキー情報に基づくため、ユーザー行動の結果が点在した状態だ。その点と点を結び意味づけをすることが仮説立案となるが、どのようにすればいいのか。「時間軸を持った“線”で点と点を結びユーザー心理を補完すると問題提起や課題設定がしやすくなる」と馬谷氏。
“線”を計測する補完ツールとして有効なのが、マウストラッキングとアイトラッキングだ。マウストラッキングは興味や関心の計測が、アイトラッキングは深層心理に近い「気づき」を計測できる。馬谷氏は、「これらのツールを有効に活用するには、“線”の役割を明確にして、分析領域を明確化することが大事。ユーザー心理を把握できれば、課題設定から解決策への立案の精度が上がるので、PDCAを早く回すことができる」と語った。