宣伝会議インターネットフォーラム 2014レポート(アンダーワークス、トライバルメディアハウス、サイトコア)

オウンドメディア全体最適化によるROI向上

講演者

  • 田島 学(アンダーワークス 代表取締役社長)


 

アンダーワークス 代表取締役社長 田島 学 氏

オウンドメディアは顧客開拓・維持に貢献する「自社でコントロール可能なメディア」である一方、複数のサイトを保有すると管理・運営する担当者もまた増えていくことになる。

「それぞれが一番効率良く進めようとした結果、部分最適になり全体では制御されていない状況に陥りやすい」と、アンダーワークスの田島学氏は指摘。そこから生まれる3つの課題を説明した。

1つには非効率な運用。本来一つで良いCMS(コンテンツマネジメントシステム)やデータセンターに二重に投資したり、オペレーションや品質管理、フローが統一されておらず無駄が生まれたりするケースがある。

2つ目として、インターネット上での企業が持つブランド体験の整合性をいかに保つかという点があげられる。高級感のあるブランドサイトを持ちながら同じ企業の他のページに遷移すると、古いデザインのページがブラウジングされるといったケースが見受けられる。

最後は、サイト間のユーザー動線が配慮されていないケース。例えばクレジットカードを登録する際に、商品サイト、サービスサイト、会員サイトが分かれているとユーザーは複数のサイトを渡り歩くことになり、たらい回しにされているように感じる。そうなると、コンバージョンに向かう途中段階で離脱する確率が上がってしまう。

田島氏が提案するのは、これらの解決策として新しくサイトを立ち上げるのではなく、すでにあるオウンドメディア群を統合することでROIの向上を図るという考え方。そのやり方の一つとして、顧客行動プロセスにオウンドメディアのカバー範囲をマッピングしていく手法を紹介した。

また、統合を行うときには、目が向きがちなデザインや機能性といった見た目だけではなく、システムやコンテンツ運用などのオペレーション部分である裏側も同時に統合していくこと、部門の統廃合など社内の調整業務の必要性についても言及した。

その上で「今後はオウンドメディアに蓄積されていくデータの統合が第4の課題として生まれるだろう」と締めくくった。

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