マーケティング3.0がわかる!共創マーケティング基本編
講演者
- 池田 紀行(トライバルメディアハウス 代表取締役社長)
「共創マーケティングという言葉は1970年代から存在する。いまあらためて注目されているのは、市場の成熟により商品がコモディティ化しているから」とトライバルメディアハウスの代表取締役社長である池田紀行氏は語る。
書籍『コトラーのマーケティング3.0』によると、マーケティング1.0は、技術競争により市場が成り立っている時代。マーケティング2.0は技術競争に加えて、消費者に対してリサーチをしてニーズのあるものを作り出すマーケットインの時代だった。
しかしいまでは、他社と差別化のためのセグメントが細分化し、どんな商品もポジショニングマップに空きのない状況。マーケティング3.0ではさらに、消費者と一緒に考える「共創」が加わる。企業と顧客がコミュニケーションを取り、イノベーティブな製品を開発していく。
「共創マーケティングは、ユーザーと対話をし、信頼関係を作るエンゲージメントの役割と、顧客の知っていることと知らないことを理解する顧客理解、商品開発とサービス開発のコークリエーションからなる」と池田氏。
必要なのは共創コミュニティという場作りであり、これをオウンド型の自社メディアの中で作っていくというのが肝。そのブランドが好きで関与したいと思っている消費者を集め、ユーザーからヒントをもらい、定量調査で検証しながら商品を作り上げていくというのがその流れとなる。
運営のポイントは意見に対してのフィードバックを行うこと。協力してくれる消費者には経済的なベネフィットを付与するより、地位や名誉、特別感を付与していくべきと池田氏は強調する。
消費者との対話を通してヒントやアイデアを見つけ、最終的な決断はマーケターが行う。そして広義の価値共創は販売後が本番となる。共創マーケティングが、これからのビジネスモデルの大きな転換になっていくだろう。