【ダイレクト部門】
SIXのクリエイティブディレクター齊藤迅氏が審査に参加している同部門。ターゲットの具体的な行動を喚起することに成功したダイレクトコミュニケーションが評価される。
ショートリストに残った約250作品のうち、グランプリはブリティッシュ・エアウェイズの「MAGIC OF FLIYNG」(Ogilvy One LONDON)が受賞した。
「MAGIC OF FLIYNG」の解説と、齊藤迅さんのコメントはこちら
日本からは、本田技研工業「SOUND OF HONDA/AYRTON SENNA 1989」(電通)がゴールドとシルバー、サントリウイスキー「3D ON THE ROCKS」(TBWA\HAKUHODO)がブロンズを獲得した。
その他、上位受賞作品は以下の通り。
<ゴールド>
*ボルボトラックTHE NEW VOLVO FM「LIVE TEST SERIES」(FORSMAN & BODENFORS/スウェーデン)
ボルボトラックが、世界に向けて発売した5つの新車種を話題化するために展開した「LIVE TEST SERIES」。トラックの実際の購入者であるバイヤーだけでなく、ドライバーやその友人・家族といった幅広い人々の間で新しいトラックに対する興味・関心を喚起する。
そのために、新型モデルの新しい特徴を驚くべき方法で説明する走行実験映像シリーズを制作した。
「The Baller in a Stunt」「The Hook」「The Technician」「The Hamster」「The Chase」「THE EPIC SPLIT」の全6編で、特に「THE EPIC SPLIT」は他の国際的アワードでも高い評価を得ている。
アクションスターのJean Claude Dammeが起用され、高速で逆走する2台のトラックの間え開脚するという彼の有名なスタントを披露している。
ボルボトラックの運転機能の安定性・正確性をユニークかつ驚くべき方法で表現することでバイラル効果を狙った同ムービーは、6月21日現在で再生回数7300万回を突破。ワンショー2014では3部門から最高賞のBest of Showに選ばれ、ニューヨークフェスティバル2014でも最高賞のBest of Showを受賞、D&AD賞では最高賞のブラック・ペンシルのほか2本のイエロー・ペンシルも獲得し、Web by Awardsでもバイラルマーケティング部門で受賞するなど快挙が続いている。
「LIVE TEST SERIES」のYouTubeでの再生回数はシリーズ合計1億回を超え、同コミュニケーション施策に触れた人の約3分の1が販売店に問い合わせたり、ボルボ公式サイトにアクセスするなどして、より詳しい情報を得ようとしたというデータもある。
ダイレクト部門でのゴールド受賞のほか、サイバー部門ではグランプリ受賞、プロモ&アクティベーション部門・PR部門でもゴールドを受賞している。
*モンデリーズ・インターナショナルBELDENT INFINIT(ガム)「ALMOST IDENTICAL」(DEL CAMPO SAATCHI&SAATCHI/アルゼンチン)
学校やオフィス、教会などではガムを噛むことを良しとしないケースが少なくないこと、またマナーの悪い一部の人々の迷惑行為も一因となり、近年はガムを噛むことへの悪いイメージが社会全体で高まりつつある。
そんな中、チューインガムブランドの「BELDENT」は、18~24歳の若者の購買頻度を高めることを目的に、ブエノスアイレスの近代美術館で来場者参加型のアートインスタレーションを実施した。
展示室に並ぶのは、4組の一卵性双生児。どの双子も見た目ではほとんど違いがわからないほどそっくりだが、ただ1つ違ったのは、ガムを噛んでいるかそうでないか。
「どちらのほうがパーティーに呼ばれそう?」「どちらの警官のほうが悪そう?」
「どちらの上司のほうがあなたを育ててくれそう?」
――美術館の一般来場者に2人を見比べてもらい、それぞれから受ける印象に関するこうした質問に答えてもらった。
結果、このインスタレーションを体験した481人のうち73%が、ガムを噛んでいるほうに好感を覚えることが明らかに。ガムを噛むことは、その人のネガティブなイメージにはつながらず、むしろ相手に良いイメージを与えることすらあることを証明した。
ダイレクト部門では3カテゴリーでゴールドを受賞したほか、プロモ&アクティベーション部門ではシルバーを受賞した。