――葵鐘会が抱えていた課題について教えてください。また「Mother book」でそれをどう解決しようとしたのですか。
医療広告は厳しい規制が多く、自由な表現ができません。海外のように、不安を煽るような表現もできません。誤解を招く表現によって患者さんに健康上の不利益を与えないための重要な規制であり、特に比較広告などは厳しく制限されています。
しかし実際、見込み顧客は医薬品や医療サービス、医療機関を比較検討し、選定しています。このジレンマをブレークスルーしたいというのが大きな課題でした。
また、表現に角が立ってしまうかもしれませんが、高齢層を対象とした領域に目が行きがちな国内の医療業界に対し、産科医療の重要性について、世界的に注目されることで問題提起をしたかったということもあります。
私たち葵鐘会は常々、人口問題、社会保障問題に強い関心をもっており、
特に人口については、国家の基本的な構成要件で、国土と同じく「国力」の源であると考えています。産科医療がその最もプライマリーなインフラであるという自覚のもとに、事業展開を行っています。
――広告・コミュニケーション活動において、基本としている考え方を教えてください。また、Mother bookの展開を通じて得られた気づきがあれば教えてください。
特に医療広告は、通常の媒体出稿だけでは、効果に限界があると考えています。産科クリニック選びの理由のひとつに、「先輩ママさんの意見、アドバイス」というものがあります。ママさんたちのクチコミパワーと言いますか、ママさんたちの中にもさらにインフルエンサーがいて、そういった方々にファンになっていただくことの重要性を痛感しています。
Mother bookを使ってくれた妊婦さんがママになり、次の新しいママへのよきインフルエンサーになる――そんなよい連鎖ができつつあります。
――今回の受賞の感想を聞かせてください。地域の企業・団体が国際広告賞での受賞をめざすことの意義についてどう考えていますか。またこの受賞を、今後どのように生かしたいですか。
ヘルス&ウェルネス部門でのグランプリ受賞の意義は大きいと感じています。クラフトの美しさ、アイデアの強さはもちろんのこと、その背後にある大きな私たちの思いも評価されたことがとても嬉しいです。
名古屋発、東海エリア発の取り組みが、世界で評価されたということは、東海地区を基点としている葵鐘会にとって、とても重要なことです。
Mother bookは、今秋から葵鐘会で出産予定の妊婦さん全員に無料でプレゼントする予定。世界的に評価されたMother bookを、一人でも多くの妊婦さんに使っていただきたいと思っています。それが結果として、葵鐘会のPRにつながればと考えています。
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