一つ上のポジションの目線から自身の仕事を見る
——では、最近企業から求められるようになったことは何でしょうか?
創業以来、ユーザー・エクスペリエンス・デザインの重要性、つまりユーザーの立場に立って体験をしっかりと設計していくことの重要性をずっと言い続けてきました。それがようやくクライアント側に理解され、それについての支援を行ってほしいと言われるようになってきたと思っています。
——これまで、求められる力をお話しいただきましたが、それらをより伸ばしていくために、仕組みとして行っていることがあれば教えてください。
ナレッジシェアや、成功事例の共有といったことは定期的にやってきましたが、今期は改めて「我々の目指す姿」に関する研修をやり直そうとしています。
ほかにも、ユーザーインターフェースに関する研修や、次期リーダー候補といった当社の文化を理解しているメンバー集めた合宿も行っています。そこでは、もう一度「ネットイヤーグループのDNAとは何か?」など、今後10年、20年成長していくために必要なことについて議論を行いました。
——印象的なのは、WEBサイト上に、誰がどの事例を手掛けたのかということや、それぞれの分野のプロフェッショナルが誰なのかというのがしっかりと明示されていることです。
ヘッドハンターにとってはすごい情報源ですよね(笑)。ただ、誰が何を行ったのかというのは、その人にとっても自身の価値を高めることにつながります。
また、「プロフェッショナル」として顔を出しているのは、やはり会社としてその人を評価しているから。当社のスタッフがスターになり、業界を引っ張っていってほしいという想いがありますね。
また、サイトに出ているスタッフは、何としてもお客様の成果を出そうというコミットメントの意識、役に立ちたいという気持ちが非常に強い。自分の顔と名前が出て、「ここに問い合わせください」と書かれていてもひるむことなく、「いつでも受ける!」くらいの気持ちでいますね。
——勉強会を行ったり、自らの実績をしっかりと示せる環境があったりするわけですが、そうした中でも「こういう力を自ら伸ばしてほしい」と感じることはありますか?
いつも話しているのが、言われた仕事をただこなすのではなく、「私はこれができます」とか「これを行った方が、会社が良くなります」など、自ら積極的に仕事をしてほしいということ。もう一つが、一つ上のポジションになったと思って仕事を考えるということですね。