国内外の口コミを活用したマーケティング事例やトレンドなどの講演、セッションなどからなる「WOMマーケティングサミット」(主催:WOMマーケティング協議会)が7月11日、東京・青山のスパイラルホールで開催された。
5回目となる今回のサミットでは、米国で口コミマーケティングなどを手掛けるBrains on Fireによる基調講演のほか、先ごろ閉幕したカンヌライオンズ2014のレポート、昨年11月に米国で開催された「WOMMA Summit 2013」の参加報告、コンテンツマーケティングなどをテーマとしたセッションなど、各分野で活躍するマーケターらが登壇する8つのプログラムが企画された。
オンライン・オフラインで異なる口コミのモチベーション
基調講演のパートを担ったBrains on Fireは米国で口コミマーケティングなどを手掛けるエージェンシーであり、今回はWord of Mouth Inspiration Officerというユニークな肩書を持つGeno Church氏が登壇した。
氏は同社代表のRobbin Philips氏らと昨夏、『The Passion Conversation: Understanding, Sparking, and Sustaining Word of Mouth Marketing』というタイトルの本を共著で出版。米国の消費者、SNSユーザーの口コミによるコミュニケーションを“Wommology”(口コミ学)として分析・研究している。本講演ではその内容も踏まえ、事例を交えながら米国の口コミマーケティング動向について説明した。
Geno Church氏はまず有用な口コミの内容について、以下の3つに分類した。
- 「Fc(ファンクショナル=機能的で世間をよく知ることができる内容)」
- 「Sc(ソーシャル=いかに自分がユニークで賢い存在であるかをアピールする社会的な内容)」
- 「Ec(エモーショナル=好き嫌いや嬉しい悲しいといった感情的な内容)」
さらにこの3つをオフライン・オンラインそれぞれのシーンにおいて、発信する際のモチベーションの優先順位を提示した。
「オンラインは公の場。自分を身の丈よりも大きく見せたいという欲求があるので、最も『ソーシャル』な口コミへのモチベーションが優位になる。一方で、エモーショナル(感情的)な側面はなるべく抑えようとするケースが多い」。
「逆に、『エモーショナル』が優位に働くのはオフラインの場面。パーソナルな場面なので感情的なものを共有したいというモチベーションが高まります」。