米国の事例に見るデジタル広告の効果とそれを支える新たな指標 コムスコア
講演者
- 宮田 祥(コムスコア・ジャパン マネージャー)
デジタル広告が急速な成長を遂げる一方、その効果指標はこれまで「クリック」がベースとされてきた。こうした現状に対しコムスコア・ジャパンの宮田祥氏は、「クリックやコンバージョンだけで効果を見い出すのは難しい状況になりつつある」と指摘する。
2009年に米国のコムスコアが行った調査はその指摘を裏付ける。200社以上の広告主を対象とし、デジタル広告が消費者にどのような影響を与えているかについて調査されたデータによれば、ディスプレイ広告のクリック率はわずか0.1%未満だったのに対し、消費者の商品購入額は「広告に触れなかった人」よりも「触れた人」の方がオンラインでの購入額が27%、オフラインでの購入額が17%も高いという結果が出たという。
宮田氏は、クリック率が低いにも関わらず、広告に触れた人はより多く商品を購入しているという点に着目し「クリックされなかった広告でも、広告を見せることの効果」があったのではないかと語る。
同社は、ディスプレイ広告の評価を、クリックやコンバージョンだけではなく、ビューアビリティ、すなわち広告が見られたかどうかという新しい指標で行うことを提唱。インプレッションが最適化されることで、ブランディングにおけるデジタル広告活用の可能性を広げることを目指している。