ソーシャルリスク管理の最先端取り組み事例
講演者
- 後藤田 隼人(エルテス 執行役員)
SNSの普及により、企業活動におけるソーシャルリスク対策は日々重要性を増している。ネット上の誹謗中傷、いわゆる「炎上」について、エルテスでは、「通常時よりも批判的な内容の記事の投稿数が5倍以上に増えた場合」としており、その件数は2011年から急増しているという。
同社執行役員の後藤田隼人氏は、炎上事案を(1)個人の不適切投稿(2)内部情報漏洩(3)顧客クレーム(4)企業や店舗からの発信がクレームにつながるケース–の4つに分類し、「企業が公式にアカウントを持つかどうかにかかわらず、リスク管理は必須になってきた」と強調する。
後藤田氏は炎上リスクへの対応策として、謝罪や説明文などの企業の公式見解を発表するほか、投稿者に削除を促すといった取り組みを紹介し、「リアルタイムに監視・察知し、しっかりとした対応ノウハウを用いることが重要」と指摘した。同社が提供するモニタリングサービスでは、4時間に一度投稿を目視。
また、ポジティブ、ネガティブ、ニュートラルといった投稿内容の判定ではなく、投稿された記事のリスクをそれぞれのカテゴリー分類することで、より詳細なリスクの判別が可能となり、現実社会で生じる可能性のあるクライシスの芽を事前に検知することにも繋がっている。
さらに、炎上回避のためのサポートや、過去の炎上事例のデータベース、炎上に加担した危険性の高いアカウントのリストなどの組み合わせによって、顧客のソーシャルリスク管理を行っている。