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一人でも働けるからこそ、交流が生まれるオフィスに
新しいアイデアや発想はどこで生まれるでしょうか。お風呂に入っているとき、寝る直前、起きた後、電車に乗っているとき、友だちと雑談の最中…などなど。
ひとつ言えることは「アイデアは会議室ではなかなか生まれない」ということです。
企業は大きくなればなるにつれて、どうしても「ムダな会議」というものが増えてきてしまいます。そこには「いないと気まずい」「なんとなくいる感を演出したい」という人たちも少なくないはず。
そして、大きな企業はどんどんイノベーティブな力を失っていってしまいます。
では、どうすればいいのか。対策のひとつとなるのは、「雑談」を増やすことではないかと思っています。
会社の話になるとどうしても、「利益」「目標」「KGI・KPI」といったことが念頭に置かれがちです。
けれど雑談なら、「面白い」「楽しい」「興味がある」ことを前面に出すことができます。結果、「どうすれば儲かるのか」「どうすれば目標を達成できるのか」などは後まわしになり、純粋なアイデアが生まれる可能性が高いのです。
雑談を増やすためにはさまざまな方法が考えられますが、まずその環境や文化を作ることが大切です。たとえば、最近、自分が純粋に「面白い」と思った事例を共有するイベントを開催したり、オフィスのレイアウトで「すれ違い」が多く発生するように設計したり。
インターネットが普及をし、ノマドという言葉が表れてから働き方やオフィスの意味がどんどん変わってきました。一人で働くことができる仕事が増えてきているIT業界においては、オフィスの存在する意味として「人と人とが交流する」という要素はさらに大きくなりつつあります。
意見を交わし、何が面白いかを話し、もし時間があるようだったら試しにつくってみる。そんなベンチャー的な文化を大きな企業になってからも残せるかどうかが、企業が生き残るか、廃れてしまうかの大きな分かれ目なのです。
ヤフーは2016年、東京・紀尾井町の新オフィスへと引っ越しをします。
現在、多くの場所に点在しているグループやサービスをひとつのオフィスに統合することでたくさんの「雑談」を生み、「イノベーティブ」なサービスを開発できるインフラを作り上げる狙いがあります。
今までの「ニュース」や「ヤフオク」のような素晴らしいイノベーションが生み出せるよう、ヤフーはこれからも日々精進していきます。