「やりすぎた変人」が「ブランド人」になる
仲山:ECプレイヤーの分類図を見て思うことを伺わせてください。井手さんも木村さんも「老舗」にあたると思いますが、いかがでしょう。
井手:「変人」だとは思います(笑)。おかげさまで、ちょっとは売れてきているので「ただの変人じゃない、次元の違う変人」という感じ?
仲山:ここでいう「老舗」は、まさに「次元の違う変人」のことなのでぴったりです。次元が違うといえば、求人広告の話をしていただいてもいいですか?
井手:5年ぐらい前は、求人を出しても全然人が集まらなかったんです。でも、最近は僕らの会社に入りたいという人が増えてきました。去年の秋にやった中途採用では、1000名も応募がありました。新卒採用も広告を出したら、やっぱり1000名。そこから10名を選ぶので、競争率100倍です。
仲山:採用広告の営業の方が「この枠なら50名くらい来れば御の字」という枠で1000名も集まったと聞きました。
井手:そうですね。あと最近は、大企業の役職についていた方に来ていただけることが多くなっています。そういう方は大半が東京あたりに家を持っているので、「家を売ってきました」といって軽井沢に移住してきてくれるんです。
木村:井手さんが「ビール変人」なら、僕は「バラ変人」です(笑)。変な話、バラの仕事を死ぬまで続けられればそれでいいやと思っている「バラ変人」。
フォロワーが2000人しかいないと言いましたけど、その2000人が例えば年間10万円買ってくれたらけっこうな売り上げになります。それに最近ではイベントへ出展したときなどに、サインのお願いをされるんです。本を出してからは多いときだと1日数十冊、サイン待ちの本があります。年間だと2000人を超えると思います。
仲山:芸能人みたいですね。まさに「ブランド人」。
木村:僕はとにかくバラが好きなんですが、そういうバラへの愛が愛好家の方に伝わっているんだと思います。大した売り上げもないような業種ですけど、僕がバラに狂っていることがTwitterやFacebookを通じて伝わっているのかな。
僕は本当に「老舗」だとは思っていません。でも、「バラ変人」であり続けたいと思っています。
仲山:「老舗」になるために大切なことのヒントをいただきました。ありがとうございました!
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