あなたは本当にコピーライターなのか?

う〜ん、カタログハウスに入社する以前、僕は(通販ではない)編集プロダクションに勤めていたのですが、その経験からしても、製品を「読ませる」雑誌と、商品を「買わせる」通販カタログとでは、編集の肝の入れどころがだいぶちがう。

似ている部分はあっても、両者の編集はやっぱり別物だな、というのが正直な感想です。

しかし、ネットも含めてメディアが多様化したことで、ビジネスの現場では広告物と編集物の垣根がどんどん低くなっています。いつの間にか雑誌編集者が商品の直販コピーを書いていたり、コピーライターが新製品の情報サイトを運営したりというケースが珍しくありません。

つまり、「読ませる」と「買わせる」を両立させたいコンテンツに対して、任されるクリエイターのスキルはどちらか極端に偏っている場合が多い。

通販出身のコピーライターには「読ませる」ネタの引き出しが足りないとか、逆に、編集畑のライターには「買わせる」ポイントが今ひとつピンと来ていないといった“片翼飛行”のような感じです。

通販企業の多くがコピーライティングやデザインを外部のプロダクションに任せてしまうので、販売と制作の両面の技術を総合的に身に付けるのが難しいという背景もあり、ならば、クリエイターが個人単位でスキルアップするしかない!と思い立ったのが、このコラムを始めた動機の一つです。

これを読んでくださっている方の中には、メディア(広告、出版、新聞、ネット、テレビ、ラジオ、通販など)の業界関係者が多くいらっしゃると思いますので、この機会にぜひ、異業種クリエイター間での「発想のシェア」や「スキルの合成」が進むような環境が増えるよう、おとなりの業界に働きかけをしていただけたらありがたいなぁ、と思います。

下に、通販クリエイターに必要だなと思う10種類の力を書き出してチェック表にしてみました。もちろん、すべての項目においてパーフェクトな人などいないと思います(当然ながら僕も)。

自身が持つスキルの中で相対的に弱い部分はどこか?を見つける参考にしてください。2つの◎が並んだ項目は、単純な△△力が1つ◎。もう1つの◎は「売りにつながる」を当てはめてください。

たとえば①の取材力の場合、「一般的な取材」ができるのであれば◎を1つ。「売りにつながる」取材もできるのなら◎◎を2つ分カウントしてください。全部で◎が16個あります。

あなたはいくつの◎を獲得できるでしょうか?

次ページ 「通販クリエイター自己チェック表」に続く

前のページ 次のページ
1 2 3
向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)
向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ