シリーズ連載② 長く愛されるキャラクターの秘密
【バックナンバー】
・①ロングセラー人気絵本「くまのがっこう」誕生ストーリー
普段使いのグッズを通じてキャラクターが生活に根付く
「絵本発でオリジナルキャラクターブランドをつくる」というミッションでスタートした「くまのがっこう」。その関連グッズは現在1万点を超え、ライセンス契約社数は約80社に上る。
当初は文具やぬいぐるみなどの雑貨が中心だったが、徐々に寝具類などの生活必需品に広がってきた。「日常で使っていただくことで、キャラクターがファンの生活により根付いていきます」と、「くまのがっこう」の生みの親で、同ブランドを展開するキャラ研代表の相原博之氏は話す。商品化に当たっては、定期的にメーカーと会議を行っている。
「こういうものを作りたい」というメーカー側の提案に対し、時に相原氏からも一歩踏み込んだ要望を出す。例えば、昨年発売した「くまのがっこう パンケーキパン」は、主人公のジャッキーの顔の形のパンケーキが焼けるミニフライパンだ。
生地を流し込む量によって、2wayの焼き型が楽しめるのが特徴だが、これも「フライパンが作りたい」というメーカーの提案に対して、「顔の形に焼けないか」と相原さんから“逆提案”したことでできた商品の一つだ。
映像が絵本の世界をぐっと広げた
「くまのがっこう」の映像デビューは、2010年に全国東宝系の劇場で公開された映画『くまのがっこう~ジャッキーとケイティ~』だ。この映画は東京国際映画祭にも出展し、絵本を読まない層に認知を広げることに成功した。
続いて、2013年には、NHK Eテレでアニメ「がんばれ!ルルロロ」がスタート。絵本『ジャッキーのいもうと』に登場する双子の「ルル」と「ロロ」が主人公のストーリーだ。映画の製作チームで1分程度のアニメのテストムービーを作り、NHKのプロデューサーに見せたところ、話がとんとん拍子に進んだという。
今では公式グッズ、DVD、アプリ、書籍などを続々リリースし、ルルロロ関連だけで年間20億円を売り上げるまでに成長した。
「『絵本の世界をそのまま再現します!』という提案をいただくこともあったのですが、それではやる意味がない。絵本には絵本の、アニメにはアニメのよさがある。アニメ化で絵本の世界が広がってこそ意味があるんです」。
映画を製作してみて、このチームのクオリティならできると感じ、アニメ化に踏みきったという。
ほか、カフェとのコラボレーションや、近年はデジタル領域での展開にも力を入れる。2011年渋谷のカフェと期間限定でコラボした「ジャッキーカフェ」は、オリジナルメニュー、店内の絵の展示、ミニライブなどを行い好評を得た。
デジタル領域でも、ツイッター、フェイスブックなどのソーシャルメディアはもちろん、ルルロロの関連アプリは、知育系を中心に何と100本以上に上る。デジタル領域での展開は今後も積極的に広げていく予定だ。
【お問い合せ】
株式会社キャラ研
http://bears-school.com/(くまのがっこう公式サイト)
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