編集者が「芋掘り」をしたっていい。

月刊誌を核に据えながら、ナカノシマ大学を中心としたイベントや長く残る書籍をつくる。もちろん、これらの告知・販促や申し込み対応などのインターフェイスとして、ウェブもできる限り活用している。特性の異なるこれらのメディアを有機的に結びつけることを考え、何でもやらないといけないのが小さな出版社の編集者に求められる現状だと思う。

とはいえ「何でもやらないといけない」というのは、言い方を変えれば「何でもできる」ということでもある。「編集」とはまさに「集」めたものを「編」むことだが、何もそれは紙のメディアをつくることだけに留まらないはずだ。あの人とこの人を会わせてみたいというのも立派な編集だし、ツアーを企画して現場で解説をするのだって自分自身をメディアとした発信だ。それが文脈に沿った面白さを発揮するのなら、大学芋を売ったっていい。そう考える方が楽しいと、曲がりなりにも10年ほど編集という仕事に携わってきた今、思っている。

大迫 力(おおさこ・ちから)
株式会社140B
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1980年尼崎市生まれ。2003年、同志社大学文学部を卒業後、神戸女学院大学で開講されていた内田樹氏(凱風館館長/神戸女学院大学名誉教授)のゼミに社会人聴講生として通う。そこで『Meets Regional』誌の編集長・江弘毅と知り合い、京阪神エルマガジン社の同誌編集部に入る。2006年より、株式会社140Bへ。大阪・中之島をテーマとするフリーマガジン『月刊島民』の編集に携わると共にた、『島民』を核として展開される「ナカノシマ大学」の企画・運営や、書籍の編集も行う。その他にも地域誌、企業広報誌、webインタビューなどさまざまなメディアの編集・執筆を行っている。また尼崎南部エリア限定のフリーペーパー『南部再生』の制作に関わるほか、メイドインアマガサキ・コンペ審査員など、地元尼崎での活動も増えつつある。

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宣伝会議 編集会議編集部
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