「ネイティブ広告」の議論は、とっとと終わらせよう!――混乱を招く5つの誤解――第2回

誤解される理由④ 「新しい考え」と「新しい環境」を混同している

記事体広告以外でも、「ネットではずいぶん前から、スペシャルサイトなどでオリジナルコンテンツを展開していたのではないか」という意見もあります。もしくは、「昔からある特撮ヒーローのTV番組と、ヒーロー玩具のCMはコンテンツと広告が両立している。つまりコンテンツと広告が組み合わさっているものは昔からあったではないか」と言う方もいるでしょう。

しかし、ネイティブ広告で問題にすべきは「新しいか古いか」ではなく、「今の環境にあった形は何か」という議論です。コンテンツと広告を組み合わせる手法は以前からありますが、例えばLINEのスポンサードスタンプが誕生したのは最近です。スポンサードスタンプはスマホが浸透した今の環境だから生まれてきたネイティブ広告の形であると言えます。

また、一昔前と違い現在では、スペシャルサイトのような大掛かりのものを作らずとも、メディアやSNS、企業のオウンドメディアで配信するコンテンツの中身だけを作れば話題にしてもらうこともできます。コンテンツを配信するプラットフォームと、それらを拡散する環境が揃ったことで、小さなコンテンツでも面白ければ話題にされるようになりました。

つまり時代と共に、コンテンツにとって有利な環境にネットが段々と変化しています。コンテンツマーケティングとネイティブ広告が注目される背景には、このような状況の変化があるのでしょう。

そして、この新しい環境の中で、広告をコンテンツとして扱う事でいかに成果を出すか、というのがネイティブ広告の本来の目的であるはずで、何がネイティブ広告なのか、それは新しい考えなのか?という議論は最も重要なことではないと思います。

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谷口 マサト(LINE 広告事業部 チーフプロデューサー)
谷口 マサト(LINE 広告事業部 チーフプロデューサー)

72年滋賀生まれ。LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー。
横浜国立大学の建築学科を卒業後、建築業界には進まず、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。空手のテキサス州大会と柔術の大会で優勝した後、帰国するもヌンチャクでは食えず、96年にいち早くネット業界に入る。
制作会社を経て外資系のIT系コンサル会社へ。当時日本で数少ないIA(情報設計)の専門家として、大手コマースサイトのリニューアルを多数担当後、ライブドアへ。現在はLINE株式会社にて、企業とのタイアップ広告企画を担当する。

一方で、運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計4億2千万PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』などの書籍を宝島社などから6冊出版している。

Blog: http://blog.chakuriki.net/
Facebook: https://www.facebook.com/masato.taniguchi.5
Twitter: http://twitter.com/chakuriki

谷口 マサト(LINE 広告事業部 チーフプロデューサー)

72年滋賀生まれ。LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー。
横浜国立大学の建築学科を卒業後、建築業界には進まず、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。空手のテキサス州大会と柔術の大会で優勝した後、帰国するもヌンチャクでは食えず、96年にいち早くネット業界に入る。
制作会社を経て外資系のIT系コンサル会社へ。当時日本で数少ないIA(情報設計)の専門家として、大手コマースサイトのリニューアルを多数担当後、ライブドアへ。現在はLINE株式会社にて、企業とのタイアップ広告企画を担当する。

一方で、運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計4億2千万PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』などの書籍を宝島社などから6冊出版している。

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