先ほどご紹介した「忍者女子」の記事も、その日の「livedoorニュース」で配信した3000本の記事の中で1位のPVになり、広告した製品に対してもポジティブな反響を得られ、製品の公式サイトへも当社比で通常の10倍誘導できました。
これは、テレビが広告費で番組を制作できるように、ネットでもスポンサーがいるからこそ、お金をかけたコンテンツ作りをできるからです。つまり、ネイティブ広告は収益だけでなく、メディアにとって集客も兼ねています。私はこの点が最もユニークだと思います。
現状のネットでは、まだまだ広告とコンテンツは分断しています。ウェブメディアも通常はコンテンツで集客し、そのコンテンツの周りに配された広告枠の販売で売り上げを立てようとします。
このように広告とコンテンツが分かれている場合、PVを上げながら、いかにコンテンツの制作コストを下げるかの勝負になってきます。
その勝負の行きつく先が、「コンテンツを作らない方がよい」という結論に達するのは当然でしょう。誰かが作ったコンテンツにタダ乗りすればよい、ということになっていきます。
一方でネイティブ広告は、制作コストをかけた分、集客にも収益にも結びつく可能性があります。メディアがオリジナルコンテンツを作るという、既存メディアなら当たり前のことに、ネットも参加できる可能性がでてきたのです。
この流れがさらに盛り上がれば、まだまだ既存メディアの二次的な情報が大半のネットでも、オリジナルコンテンツがどんどん生まれてくるかもしれません。今後どうなるのか、私は非常に楽しみにしています。やはり少し楽観的すぎるでしょうか。
さて、以上が「ネイティブ広告」が誤解される5つの理由ですが、このコラムの目的は、議論が混乱している理由を明確にすることで、とっとと議論を終わらせることです。というのは、「広告をコンテンツとして扱う事でいかに成果を出すか」という本題に入りたいからです。
具体的な手法と実例を、どんどんとみんなで共有していく次のフェーズです。今回、刊行になる著書『広告なのにシェアされるコンテンツマーケティング入門』でも、「アドタイ」の連載を大幅に加筆し、具体的なケーススタディを様々に紹介していますので、参考になれば幸いです。
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