「ネイティブ広告」の議論は、とっとと終わらせよう!——混乱を招く5つの誤解——第3回

先ほどご紹介した「忍者女子」の記事も、その日の「livedoorニュース」で配信した3000本の記事の中で1位のPVになり、広告した製品に対してもポジティブな反響を得られ、製品の公式サイトへも当社比で通常の10倍誘導できました。

これは、テレビが広告費で番組を制作できるように、ネットでもスポンサーがいるからこそ、お金をかけたコンテンツ作りをできるからです。つまり、ネイティブ広告は収益だけでなく、メディアにとって集客も兼ねています。私はこの点が最もユニークだと思います。

現状のネットでは、まだまだ広告とコンテンツは分断しています。ウェブメディアも通常はコンテンツで集客し、そのコンテンツの周りに配された広告枠の販売で売り上げを立てようとします。

このように広告とコンテンツが分かれている場合、PVを上げながら、いかにコンテンツの制作コストを下げるかの勝負になってきます。

その勝負の行きつく先が、「コンテンツを作らない方がよい」という結論に達するのは当然でしょう。誰かが作ったコンテンツにタダ乗りすればよい、ということになっていきます。

一方でネイティブ広告は、制作コストをかけた分、集客にも収益にも結びつく可能性があります。メディアがオリジナルコンテンツを作るという、既存メディアなら当たり前のことに、ネットも参加できる可能性がでてきたのです。

この流れがさらに盛り上がれば、まだまだ既存メディアの二次的な情報が大半のネットでも、オリジナルコンテンツがどんどん生まれてくるかもしれません。今後どうなるのか、私は非常に楽しみにしています。やはり少し楽観的すぎるでしょうか。

さて、以上が「ネイティブ広告」が誤解される5つの理由ですが、このコラムの目的は、議論が混乱している理由を明確にすることで、とっとと議論を終わらせることです。というのは、「広告をコンテンツとして扱う事でいかに成果を出すか」という本題に入りたいからです。

具体的な手法と実例を、どんどんとみんなで共有していく次のフェーズです。今回、刊行になる著書『広告なのにシェアされるコンテンツマーケティング入門』でも、「アドタイ」の連載を大幅に加筆し、具体的なケーススタディを様々に紹介していますので、参考になれば幸いです。

seminar_lead

※あわせて読むと、さらにお薦めです!
田端信太郎著「MEDIA MAKERS」(Kindle版)
2014年8月31日まで、特別価格500円にて販売!

1 2
谷口 マサト(LINE 広告事業部 チーフプロデューサー)
谷口 マサト(LINE 広告事業部 チーフプロデューサー)

72年滋賀生まれ。LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー。
横浜国立大学の建築学科を卒業後、建築業界には進まず、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。空手のテキサス州大会と柔術の大会で優勝した後、帰国するもヌンチャクでは食えず、96年にいち早くネット業界に入る。
制作会社を経て外資系のIT系コンサル会社へ。当時日本で数少ないIA(情報設計)の専門家として、大手コマースサイトのリニューアルを多数担当後、ライブドアへ。現在はLINE株式会社にて、企業とのタイアップ広告企画を担当する。

一方で、運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計4億2千万PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』などの書籍を宝島社などから6冊出版している。

Blog: http://blog.chakuriki.net/
Facebook: https://www.facebook.com/masato.taniguchi.5
Twitter: http://twitter.com/chakuriki

谷口 マサト(LINE 広告事業部 チーフプロデューサー)

72年滋賀生まれ。LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー。
横浜国立大学の建築学科を卒業後、建築業界には進まず、空手修行のため渡米、主にヌンチャクを学ぶ。空手のテキサス州大会と柔術の大会で優勝した後、帰国するもヌンチャクでは食えず、96年にいち早くネット業界に入る。
制作会社を経て外資系のIT系コンサル会社へ。当時日本で数少ないIA(情報設計)の専門家として、大手コマースサイトのリニューアルを多数担当後、ライブドアへ。現在はLINE株式会社にて、企業とのタイアップ広告企画を担当する。

一方で、運営する個人サイト「chakuwiki/借力」は累計4億2千万PVでベストブログ・オブ・イヤー賞(エンタメ部門)など受賞多数。サイトから発展した『バカ日本地図』などの書籍を宝島社などから6冊出版している。

Blog: http://blog.chakuriki.net/
Facebook: https://www.facebook.com/masato.taniguchi.5
Twitter: http://twitter.com/chakuriki

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ