金沢で広告人の五感磨こう——高澤基・金沢広告協会会長
2015年3月に北陸新幹線が金沢まで延伸します。開業を記念し、次回は金沢で全広連大会を開催いたします。
北陸新幹線の金沢開業で、東京と金沢が約2時間半で結ばれます。1日5万人を運ぶインフラができることによって、経済、観光双方の側面から大きな期待が寄せられています。
新型車両は、E7系とW7系の2種類があります。EはEast(東)で、WはWest(西)。つまりJR東日本とJR西日本が初めて共同開発したのが北陸新幹線です。設計思想は、日本の伝統と最新技術を融合させた「『和』の未来」。東海道新幹線の「のぞみ」に当たる速達型の名称は「かがやき」に決まっています。私たちはこの2つを足して「『和』の未来はかがやいている」と言っています。
金沢は加賀百万石の城下町と言われていることはご承知の通りでしょう。江戸時代、経済の規模は石高で計られました。三百諸侯の石高が約3000万石という中、徳川幕府が800万石。大名の一番は100万石の加賀藩でした。実際は120万石あったとも言われています。
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康と同じ時代を生きた戦国武将に前田利家がいます。前田家は、その財力を文化につぎ込みました。お茶裏千家を支援したほか、加賀蒔絵、加賀友禅、金箔など伝統工芸を育成し、それらが花開きました。
石川県の北陸新幹線開業PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」は、県のこうした豪華絢爛な文化を象徴しています。
県内の産業は、繊維や医療などのほか、最近では軽くて強い「炭素繊維」を用いた次世代産業の育成に向けた取り組みが進んでいます。産業の競争力向上にも新幹線が寄与することが期待されます。
来年の全広連大会のテーマには「五感」という言葉を用いています。鋭い感性で世の中の動きを追い、表現していく。金沢でぜひ五感を磨いていただきたいと考えています。新幹線で金沢にお越しいただくことを心待ちにしています。