地方の田舎にあるチャンス—元公務員の脱・元公務員大作戦3

ワインづくりの町から、ワインづくしの王国へ。

北海道十勝・池田町は日本で初めて自治体としてワイナリーを設立したワインのまち。クライアントからのオーダーは、年々観光客が減っている池田町にもっと人を集めるため、まち全体を「ワイン王国」に見立てて集客施策を展開したい、というものでした。実際に調べてみると、「ワイン城」や「十勝ワイン」の知名度はあるものの、どうやらみんな、そこどまり。他にもご当地ブランドの牛肉やらチーズやらスイーツやら、ワインだけじゃない魅力的な素材がたくさんあるのに。

では、その辺をワインにからめて発信しましょう、と提案したのが「王国への招待状キャンペーン」でした。池田町の「いけだ牛」を赤ワインでじっくり煮込んだビーフシチューとか、白ワインの風味香るレアチーズケーキとか(すでにめちゃくちゃ美味しそうじゃないですか?)、そんな情報をまとめて「王国への招待状」と銘打った封筒に入れ、北海道中に配布しました。招待状を持ってきてくれたお客さんには、飲食店でウエルカムワインを一杯サービス。町の皆さんの協力で、ワインづくしのおもてなしが実現しました。

その結果、観光客の数は前年の10倍に!なんて言えれば一番カッコよかったのですが、そんなに簡単ではないのが現実。池田町は粘り強く、今年もまた新しいキャンペーンを展開しています。結果につなげるアイデアとは何か、僕も日々模索中です。

ワイン型のカードを見せると、ウエルカムワインが出てくる。

発想のヒントになった帯広駅前の有名レストラン。ここでは、席に着くとまず、なぜかメロンソーダが運ばれてくる。

次ページ 「ボツがチャンスに。」に続く

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