データによるマーケティングの意思決定の複雑化
この数回で解説している通り、単にブームとしてビッグデータ的なビジネス課題がマーケティング環境を変えているというよりは、スマートデバイスの拡大により、マスから断片化されたセグメントの「個」とそのコンテクストやネットワークがもたらす「機会」をもとに、大量で多種で速度の速いマーケティングデータに対応しなければならないという現実がすでに来ています。
そういう環境下では今までのような過去情報の記述的な分析では追いつかず、また予測するだけでは十分といえず、具体的なアクションをともなった意思決定が必要になります。プリスクリプティブ・アナリティクスは、アドテクノロジーで言うところのプログラマティック・バイイング(データに基づく広告枠の自動買い付け)に代表される、データに対する意思決定の基準をプロアクティブにすることと対応しています。動きの早いセグメントごとのマーケティング機会をその基準のもとに判断し、RTB(リアルタイムビッティング)を介して広告取引したうえで、その効果を即座にモニターし分析しながら、次のアクションに活かすことが目的です。
こう考えると、マーケターはビッグデータから逃れられないだけでなく、マーケティングオートメーションを伴うマーケティング機会のエコシステムを確立し、高度なアナリティクスを駆使しながら絶え間ない意思決定と改善行動をしなければならないという未来が見えてきます。プリスクリプティブ・アナリティクスは、分析の医者に処方箋をもらってそのまま薬を飲めば安心というわけではなく、課題を解決するのはまぎれもないあなた自身のアクションだということを物語るものです。
「ビッグデータ」に関連する記事はこちら
「アドテクノロジー」に関連する記事はこちら
デジタルマーケティング用語辞典
■朝火英樹(ソフトバンクモバイル マーケティング・コミュニケーション本部 Webコミュニケーション部 担当部長)
1990年 国内メーカ入社。インターネットプロバイダ事業部門や全社統括するマーケティング・コミュニケーション部門を経て、2012年10月ソフトバンクモバイルに入社。現在、ソフトバンクモバイルのマーケティング・コミュニケーション部門にてWebを軸としたマーケティング業務を推進。日本アドバタイザーズ協会(JAA)デジタルメディア委員会 委員長。ネットPR「ニューズ・ツー・ユー」ユーザー会 会長。
■鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。
■朝火英樹(ソフトバンクモバイル マーケティング・コミュニケーション本部 Webコミュニケーション部 担当部長)
1990年 国内メーカ入社。インターネットプロバイダ事業部門や全社統括するマーケティング・コミュニケーション部門を経て、2012年10月ソフトバンクモバイルに入社。現在、ソフトバンクモバイルのマーケティング・コミュニケーション部門にてWebを軸としたマーケティング業務を推進。日本アドバタイザーズ協会(JAA)デジタルメディア委員会 委員長。ネットPR「ニューズ・ツー・ユー」ユーザー会 会長。
■鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。