「相互理解と人間構築力、人としての魅力がリーダーには必要」 ——イー・ガーディアン 高谷社長に聞く

社員の自主性を発揮できる環境づくりに注力

——求めている力を伸ばすために会社として取り組んでいることなどはありますか?

「メンター」「メンティー」制度を設けています。新卒に対して指導者としてのメンターを付けたところ、非常によかったので、キャリア採用でも実施しています。あえて同じ部署ではない人がメンターになり、面倒を見たり悩みを聞いたりして、より心の結びつきを強めていこうという取り組みです。

——メンターになるような人の基準というか、目安というのはあるのでしょうか?
 
これは、やはり面倒見のよい人ですね。面倒見がよくて安定感のある人。そうすると、指導を受ける側も細かくケアされていることでよりロイヤリティが高まっていく。「しっかり見てくれている」というのと、上に立った方も指導しないといけないので、しっかりしたことを言おう、行動しようとしますね。

——ほかに取り組んでいることなどありましたら教えてください。

あえて制度化していませんが、とにかく自ら手を挙げて「やりたい」という人がいれば、未経験でもやらせてみよう、という柔軟性・自主性を重んじるようにはしています。実際、私自身が関わる会議が週に1回1時間だけなので、社員発案でどんどん決まっていくことが多いですね。部署ができたり、場合によっては自分たちで予算を決めたりもしています。

社外の人との関係構築で、自身の価値を高める

——一方で、社員にもっとこうしてほしいと感じることは?

もっと「こんなことしたい!」という声を自らあげてほしいですね。せっかく、自主性を発揮できるような環境があるのだから、どんどん言ってきてほしいです。こうしたことは、制度があるから声があがるということでもないと思っているので、大きなテーマでもいいので、まず言ってみることが大事だと思います。でも、メンター制度のこともあって、「上に相談しやすい環境」というのは出来上がっていると思いますね。

——ほかにはどのようなことでしょうか?

あとは、何といっても社外の人との「人間関係の構築力」ですね。例えば、今おつきあいがある人たちは、おそらく5年後は社内でもポジションが上がっているはずです。そうした人たちと、「あのときはお互いまだ駆け出しだったのに、偉くなったね」みたいな話ができるようなら、それは人間関係が蓄積されているということ。そうした蓄積がないと、社内の人間関係のことばかり考えたり、一部の取引先のことしか知らなくなってしまっていたりする。そうならないよう、ちゃんと人間関係を蓄積していける力をつけてほしいですね。

次ページ 「東京大学との産学連携による新しい試みも」に続く

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[マーケティング研究室]
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時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代なってきている。

このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのか?企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。

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