26日、神楽坂にオープンする新商業施設「la kagu ラカグ」の記者会見が新潮社別館で行われた。この商業施設は、新潮社が所有する神楽坂駅前の土地と倉庫を、隈研吾建築土地設計事務所のデザイン監修により改修し、サザビーリーグが施設の開発・運営を行うというもの(オープンは10月10日)。
商業施設のターゲットは知的で品よく、肩ひじはらないライフスタイルを送る30~40代の男女。コンセプトは「REVALUE」で、倉庫の外観やモルタルの床などをそのまま活かしている。施設は「衣」「食」「住」に「知」を融合させ、ショップはそれぞれの分野のキュレーターがセレクトした商品を置く。
特徴的なのが、イベントスペース「sōko(ソーコ)」。ここでは、新潮社ならではの「出版」に関係したコンテンツとして、作家を招いてファンとふれあえるようなイベントを実施していく予定だ。すでに10月15日には角田光代氏×河野丈洋氏、10月17日にはよしもとばなな氏×平松洋子氏の対談が予定されている。ほかにも、テラスでは定期的にファーマーズマーケットを実施していくという。
記者発表には、建築家の隈研吾氏、サザビーリーグ 取締役会長の鈴木陸三氏、新潮社 代表取締役社長の佐藤隆信氏が登場。その席で新潮社の佐藤社長は「厳しいと言われる出版業界だが、いい本を作る前に大切なのは好奇心であり、面白がる気持ち。こうした試みによって、新しい形での情報発信を行っていきたい」と語った。
サザビーリーグの鈴木会長は「これまでいろいろと店舗を展開してきが、我々が手掛けるのはどちらかというと目に見える部分についてのことが多かった。今回、新潮社と組むことで、知的で内面的な部分を取り込める。これがどう施設に影響していくのか楽しみにしている」と新しいチャレンジへの期待を話した。
建築家の隈研吾氏は「神楽坂は歩いていて楽しい街であり、土地の持っている歴史の積み重ねがある街でもある。だから、外観などは活かしつつ、同時に神楽坂を歩く人が集まれるような空間にしたかった」と、街の歴史を重視したデザインであることを述べた。
また、新潮社の佐藤社長は、「この施設が神楽坂という街のさらなる発展・活性化に寄与できれば」と、地域貢献も見据えたプロジェクトであることを説明。
新しいものと古いものが融合し、神楽坂に新たなにぎわいをもたらすのか、また出版社の新たな試みの成果はどうかなど、さまざまな面からも今後注目を集めそうだ。
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