【関連記事】インド拠点のCRMリターゲティング広告会社「Vizury」、日本市場へ本格参入
インドに本社を置くインターネット広告会社のVizury Interactive Solutions(Vizury社)は7月、日本における事業展開を強化する目的で、日本支社 Vizury Japan(ビイズリージャパン)社を設立した。Webサイト内での閲覧・購買履歴にもとづき、ユーザー毎に最適なレコメンド広告を表示して購買を促進する「CRMリターゲティング」のためのデータプラットフォームを提供するVizury社。
これまで、北京、シドニー、シンガポール、台湾、ドバイ、ソウルなどアジアを中心に支社を展開、現在は40カ国・500社のクライアントを持つ同社。日本では2012年、マイクロアドを販売パートナーとして事業展開を開始し、2013年度には国内だけで240%成長を達成した。今回の支社設立を機により一層、日本のデジタルマーケティング市場に合ったサービスの提供を目指していくとしている。
支社設立に合わせて来日したVizury社 CEOのチェタン・クルカルニ氏に、アジアにおけるデジタルマーケティングの動向や、同エリアにおける日本市場の特徴、そしてそれを踏まえた同社の今後の戦略について聞いた。
——アジア・パシフィック地域におけるデジタルマーケティングの動向をどう見ていますか?
「プログラマティック」「パフォーマンス(実績ベース)」「パーソナライズ」と、大きく3つのトレンドに沿ってこの市場を捉えています。
まず、「プログラマティック」について。デジタルマーケティング市場の成長が世界的に急速に進んでいることは明らかです。アジアにおいてもマーケティング市場全体の10~15%を占めるようになってきており、年間平均で30~40%増と大きく伸長しています。その背景には、RTBをはじめとする広告メディアバイイングの自動化が急速に進んでいることがあります。例えば、当社のクライアントであるアマゾン・インドも近年プログラマティック・バイイングへの移行を進めており、この1年でデジタル広告支出が2~3倍にまで増えました。アマゾン・インドのメディアバイイングはVizuryがほぼ独占的に委託を受けており、同社との取引だけでも売上はここ半年で5倍に伸びました。
次に、2つ目の「パフォーマンス(実績ベース)」です。一例として、中国市場を見てみましょう。2~3年前に遡ってみると、同国はプログラマティック・バイイングに関してはアジア地域内でもかなり後進で、CPD(期間保証型広告)が主流でした。それが近年では、その中国においても、CPC(クリック保証型広告)、CPA(成果報酬型広告)の重要度が急激に高まってきている。いかにアジアのマーケティングがパフォーマンスベースに移行しているかを示しています。
現在、当社のお客様の90%以上がCPAベースで取引しており、これは我々にとっても良いことだと考えています。なぜなら、きちんとパフォーマンスを上げれば、我々の製品・サービスを継続して使っていただけますから。
そして、3つ目の「パーソナライズ」。当社はアジア・パシフィック全域でビジネスを展開していますが、同地域において、パーソナライズされた広告表示はもはや主流と言えます。オーストラリア第2位の規模を誇るLCC ヴァージン・オーストラリアは、自社のお客様が誰なのか、そして彼らがどんなコンテンツを見たいのか、あるいは見せるべきなのか、すべて理解している。顧客ごとに適切な広告を出し分けることで、CTR(クリックスルーレート)には3~4倍の違いが出てきます。