心理学にコピーのヒントあり。

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人に何かお願い事をするとき、「〜してください」と言うよりも、「〜してくれませんか?」と疑問形にしたほうが、その了承率は高くなる…

これは、以前に少し心理学をかじった時に学んだことですが、今でも原稿の執筆依頼や出演交渉の書類を書くときに実感しています。

どうして?と聞かれると答えは難しいのですが、一つ言えることは、「〜してくれませんか?」の疑問形には、「それともダメですか?」と続くニュアンスがあります。すると依頼を受けた側には、YesかNoを決める主導権は自分にあるのだ、というある種の優越感のような感情が生まれ、頼まれごとに対してより協力的になる気がします。

これを、疑問形ではなく、言葉を丁寧にしたつもりで「〜していただけるようお願い申し上げます」にした場合、そもそも一種の慣用句なので丁寧さの特別感は伝わらないし、むしろ受け手の深層心理には、「YesかNoかの選択肢がなく、一方的に了承を求められている」と印象づけてしまうのだと思います。

会って話せばふつうに伝わる内容も、文章の「形式」に変換すると事務的に感じます。単なる報告や連絡なら問題はないでしょうが、お願いごと(「商品を買ってください」もお願いの一種)の場合は、相手の心を開かせる言い回しかそうでないかで答えが変わってくるかもしれないのですから大問題です。相手がどんなひねくれ者かもわかりませんし。そういうリスクを避けるために、 僕の「依頼書」は、相手がどんなエラい先生でも「話し言葉」による、ほとんど「手紙」のような文面です。

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向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)
向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

向田 裕(通販クリエイティブディレクター/コピーライター)

通販クリエイティブディレクター。コピーライター。1990年に総合通信販売会社カタログハウス入社。同社発行「通販生活」の商品ページの企画・商品コピーを担当。95年より読み物ページも兼務。主な企画に「筒井康隆さん、断筆をやめて通販生活に小説を書いてください」(読物記事&CM連動企画)。98年よりテレビコマーシャル制作を兼務 、「じゃぁ、どんな生活がいいの?」「ブッシュ大統領そっくりさんCM」「読者投稿によるCM大賞作」「通販生活の著名人シリーズ」などの企画に携わる。2003年『ピカイチ事典』リニューアルに伴いピカイチ商品開発チームに参加。05年より 「ネット編集部」編集長。2011年より広告企画室 ゼネラルマネージャー。2014年独立後、通販メディア各種制作、コンサルティングの分野で活動。セミナー講師。

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