「チームをひとつにまとめる『指揮者』であれ」――オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン久保明彦社長に聞く

【前回のコラム】「「目標数値をどう達成するかと常に向き合って仕事をすれば、大きく成長できる」——ファンコミュニケーションズ 柳澤社長に聞く」はこちら

「近代広告の父」とも呼ばれるデイビッド・オグルヴィが創設したことで知られるオグルヴィ・アンド・メイザー(O&M)は、米ニューヨークをはじめ世界126カ国に500以上の拠点を持つグローバルネットワークが強み。WPPグループ傘下の広告会社のひとつで、アジアでも幅広いネットワークを持つ。日本法人であるオグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパンの久保明彦社長に、人材の育成方針のほか、同社が目指す将来像について聞いた。

面白い仕事ができる会社にしたい

——オグルヴィ・アンド・メイザーの特色は。

オグルヴィ・アンド・メイザー・ジャパン 社長兼グループ代表 久保明彦 氏

創業者のデイビッド・オグルヴィがコピーライターであったこともあり、O&MのDNAにはクリエイティブを中心に置くという考え方があります。著書の「ある広告人の告白」に感銘を受け当社を志望したと聞くことは今でも少なくありません。

私はO&Mでは3年目ですが、世界中のスタッフとネットワークでつながっている感覚が強いと感じています。仕事の基本的な進め方は東京でも香港でもニューヨークでも変わることはありません。アジアの各拠点のソーシャルメディアのチーム同士で定期的に電話会議を行うなど、横のつながりで成功事例を共有するような取り組みが活発です。

人事交流についても同様です。ネットワークの中で、東京での仕事を希望するスタッフを受け入れる一方、東京からも上海や香港に数人ずつ送り込んでいます。やはりグローバルの環境に身を置くことができるのが外資系企業の良いところ。世界を舞台に活躍したい人には良い環境だと思います。

——どんな会社を目指していますか。

周囲から「この会社に行けば面白い仕事ができそうだ」と評判になるような会社にしたいですね。「キャリアが広がりそう」、「広告賞が獲れそう」、「箔がつく」といった動機でも構いません。すると優れた人材が入ってきて、より良い仕事ができる。会社も強くなり、業績も上がるでしょう。より良い評判が広がり、さらに優れた人材が入ってくる、という好循環が理想形です。

これは逆もまた然りです。「あの会社はあまり面白い仕事がない」「あまり評判を聞かない」と思われたらこのサイクルは逆に回り始めます。まずは現場が充実した仕事のできる環境にあるか、良いスパイラルを回せるかを意識しています。

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[マーケティング研究室]
[マーケティング研究室]

時代の流れがますます速くなっている昨今、求められる人材においても、そうした流れに翻弄されることなく、しっかりと考えて行動できる「マーケティング思考」が、マーケティング部門のみならず、あらゆるビジネスパーソンに求められる時代なってきている。

このコラムでは、そうした「マーケティング思考&行動」ができる人材を育成するにはどうすればいいのか?企業のトップに、人材育成について考えていること、大切にしていること、実践していることなどを聞いていく。

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